一級建築士 過去問
平成28年(2016年)
問94 (学科4(構造) 問94)
問題文
建築物の耐震計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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問題
一級建築士試験 平成28年(2016年) 問94(学科4(構造) 問94) (訂正依頼・報告はこちら)
建築物の耐震計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 耐震計算を行う場合に用いるA;は、多数の地震応答解析結果の蓄積から、それらをまとめたものに基づき定められた、設計用層せん断力を求めるための高さ方向の分布を表す係数である。
- 各階の保有水平耐力計算において、偏心率が所定の数値を上回る場合又は剛性率が所定の数値を下回る場合には、必要保有水平耐力の値を割増しする。
- 鉄筋コンクリート造建築物の設計用一次固有周期Tを、略算法でなく固有値解析等の精算によって求める場合には、建築物の振動特性はコンクリートにひび割れのない初期剛性を用い、基礎や基礎杭の変形はないものと仮定する。
- 鉄筋コンクリート造建築物の必要保有水平耐力の計算において、一般に、柱・梁部材に曲げ破壊が生じる場合は、せん断破壊が生じる場合に比べて、構造特性係数Dsを大きくしなければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
Ai(地震層せん断力分布係数)とは、建築物の振動特性に応じて地震層せん断力係数の高さ方向の分布を示す係数のことで、1つの建築物の中で1階と比較して、上階がどのくらい揺れるかを表します。
2. 設問の通り
偏心率(≦0.15)や剛性率(≧0.6)が規定外の数値となる(バランスが悪い)場合には、形状係数Fesをかけ、割増して必要保有水平耐力を算出します。
3. 設問の通り
4. 誤り
曲げ破壊が生じる場合には、せん断破壊時に比べDs値は「小さく」なります。
Ds(構造特性係数)とは、建物の変形能力を数値化したものです。変形能力が高いほど、建物が地震力を吸収する壊れ方となり、Ds値は小さくなり、せん断破壊(脆性破壊)しやすくなるほどDs値は大きくなります。
*合わせて覚えましょう
Ds値は柱・梁の構造及び架構形式によって定められています。
RC造…0.3〜0.55
S造 …0.25〜0.5
(建設省告示第1792号)
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02
1:設問通りです
Aiは地震層せん断力係数Ciの建築物の高さ方向を表す係数で、設計用せん断力や地震層せん断力の算定時に用いられます。
2:設問通りです
保有水平耐力計算において剛性率や偏心率の値は形状係数Fesに影響します。偏心率が所定の数値を上回る場合又は剛性率が所定の数値を下回る場合にはFesの割増しを行うことで必要保有水平耐力の割増しが行われます。
3:設問通りです
鉄筋コンクリート造建築物の設計用一次固有周期Tを、精算法によって求める場合には、基礎や基礎杭の変形はないものと仮定します。
4:誤りです
主要構造部(柱・梁・耐力壁)においてせん断破壊が生じる場合には、部材種別を落とす(FD,WD)必要があるので結果として曲げ破壊時よりDsが大きくなります。
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03
Aiは地震層せん断力係数Ciの建築物の
高さ方向を表す係数です。
上階ほど大きくなり
建築物の設計用一次固有周期Tが長いほど
大きくなります。
2.適当です。
各階の保有水平耐力計算において
偏心率が所定の数値を上回る場合又は
剛性率が所定の数値を下回る場合には
必要水平保有力の値を割増しする必要があります。
3.適当です。
鉄筋コンクリート造建築物の設計用一次固有周期を
略算法ではなく固有値解析等の精算によって求める場合
建築物の振動特性はコンクリートにひび割れのない初期剛性と仮定し
基礎や基礎杭の変形はないものと仮定します。
4.不適当です。
鉄筋コンクリート造建築物の必要保有水平耐力計算において
柱や梁に曲げ破壊が生じる場合は
構造特性係数を小さくする必要があります。
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