一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科4(構造) 問93
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科4(構造) 問93 (訂正依頼・報告はこちら)
各種建築構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 壁式構造は、地震その他の水平力に対して、耐力壁を主体にした強度抵抗型の構造であり、高い変形性能は期待できない。
- 鉄筋コンクリート構造において、鉄筋のA級継手( 母材と同等並みの強度と剛性を有する継手 )は、降伏ヒンジが形成される材端域の主筋に使用できるが、靱性が低下することを考慮する必要がある。
- 壁式鉄筋コンクリート構造と壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造は、一つの建築物の同じ階に混用することはできない。
- ポストテンション方式のプレストレストコンクリート構造において、シース内に充塡するグラウトは、PC鋼材の腐食の防止、シースとPC鋼材との付着の確保等を目的とする。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
壁式構造にはラーメン構造の耐力壁の様に
耐力壁の周りにひび割れを防ぐ柱や梁がない為
高い変形性能は期待できません。
2.適当です。
鉄筋のA級継手は降伏ヒンジが形成される
材端域の主筋として使用する場合
靭性がやや劣るので
予め靭性が低下する事を考慮する必要があります。
3.不適当です。
壁式鉄筋コンクリート構造と壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造は
一定の条件を満たせば同じ階に混用する事ができます。
4.適当です。
ポストテンション方式のプレストレストコンクリート構造において
シース内に充填するグラウドは
PC鋼材の腐食の防止及び
シースとPC鋼材との付着の確保等を目的としています。
参考になった数8
この解説の修正を提案する
02
1:設問通りです
一般に構造物は強度型か靭性型に分類され、そのうち壁式構造は耐力壁を主体とした強度型の構造物です。
2:設問通りです
RC造継手部位置において母材と同等並みの強度と剛性を有する継手とすることで保有水平耐力計算による場合は降伏ヒンジが形成される材端域の主筋に用いることができますが、その代わり部材種別を落として計算をする必要があります。
3:誤りです
壁式鉄筋コンクリート構造と壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造は、一定の条件を満たすことで一つの建築物の同じ階に混用することができます。
4:設問通りです
ポストテンション方式のプレストレストコンクリート構造のシース内に用いるグラウト材は一般にセメントペースを用いPC鋼材緊張後にシース管隙間に注入します。
参考になった数3
この解説の修正を提案する
03
壁式構造は、戸境壁や間仕切り壁等を構造壁として設計することによって得られる高い水平強度と剛性によって地震力に抵抗することを基本としています。
2. 設問の通り
A級継手は、母材と同等並みの強度と剛性に関しては母材並であるが、その他に関しては母材よりもやや劣る継手となるため、靭性が低下することを考量し設計します。
(ただし、降伏ヒンジが形成される材端域では、A級継手でも全数の継手位置を同一断面に設けることはできません。)
3. 誤り
在来工法によるWRC造とWPCa造の混用は可能です。
4. 設問の通り
シースとは、PC鋼材を通す管のことです。シース内に注入するグラウトは、PC鋼材の腐食を防止するとともに、PC鋼材との付着力を確保し、導入プレストレス(圧縮力)の伝達を図る役割を果たします。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問92)へ
平成28年(2016年)問題一覧
次の問題(問94)へ