一級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科3(法規) 問56

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問題

一級建築士試験 平成30年(2018年) 学科3(法規) 問56 (訂正依頼・報告はこちら)

図のような敷地において、耐火建築物を新築する場合、建築基準法上、新築することができる建築物の建蔽率(同法第53条に規定する建蔽率)と建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度の組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。
問題文の画像
  • (建蔽率の最高限度)8.5/10 、 (容積率の最高限度)40/10
  • (建蔽率の最高限度)8.5/10 、 (容積率の最高限度)48/10
  • (建蔽率の最高限度)9/10 、 (容積率の最高限度)40/10
  • (建蔽率の最高限度)9/10 、 (容積率の最高限度)48/10

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です

[建蔽率](法第53条)
チェック項目は以下の4つです。
(1)都市計画で定める建蔽率の確認
(2)緩和規定の確認(第3項)
(3)適用除外規定の確認(第5項)
(4)建蔽率限度の決定(第2項)

※法第53条第6項よりすべての敷地を防火区域内にあるものとして計算を行います。

(1)
➀商業地域→8/10
➁準住居地域→6/10

(2)

緩和なし

・建蔽率が8/10以外で防火地域内の耐火建築物の建築は第3項第一号より+1/10
・街区の角にあるので第3項第二号より+1/10
したがって
6/10+1/10+1/10=8/10

(3)
➀商業地域
防火地域の耐火建築物の建築より第5項第一号より規定の適用がされません。→10/10
➁準住居地域
緩和なし

(4)各敷地面積の割合を用いて建蔽率の限度の平均を計算していきます。
敷地は➀20×30=600m²➁20×30=600m²より
10/10×600/(600+600)+8/10×600/(600+600)
=9/10
となります。

[容積率](法第52条)
チェック項目は以下の5つです。
(1)前面道路幅の確認(第1項、第2項)
(2)特定道路による緩和(第9項、令第135条の18)
(3)前面道路2以上の最大幅員の確認
(4)前面道路幅による容積率の計算(第2項)
(5)指定容積率との比較、決定(第1項、第2項)

(1)
前面道路の幅員が12m未満ですので前面道路による容積率の計算を行います。

(2)
北側に幅員15m以上の道路があるため特定道路の緩和を行います。
北側前面道路の補正幅員Waは
Wa=(12-Wl)(70-L)/70
=(12-10)(70-35)/70=1m
よって、前面道路の幅員は10+1=11m

(3)前面道路の最大幅員は11mとなります。

(4)前面道路幅による容積率の計算を行います。
➀商業地域(非住居系)
11×6/10=66/10
➁準住居地域(住居系)
11×4/10=44/10

(5)指定容積率との比較を行います。
➀80/10>66/10→66/10
➁30/10<44/10→30/10

各敷地面積の割合を用いて建蔽率の限度の平均を計算していきます。
敷地は➀20×30=600m²➁20×30=600m²より
66/10×600/(600+600)+30/10×600/(600+600)
=48/10
となります。

したがって
建蔽率=9/10
容積率=48/10
となり正解は4となります。

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02

この問題は、建築基準法上の建蔽率、容積率に関する計算問題です。

解き方をしっかりマスターしておきましょう。

選択肢4. (建蔽率の最高限度)9/10 、 (容積率の最高限度)48/10

【建蔽率】

法第53条により、商業地域と準住居地域それぞれの建蔽率を算出します。

・商業地域

 防火地域で耐火建築物のため、建蔽率は緩和規定により 10/10 となります。

・準住居地域

 準防火地域で耐火建築物、かつ、街区の角にある敷地のため、建蔽率は緩和規定により 6/10 + 1/10 + 1/10 = 8/10 となります。

商業地域と準住居地域の敷地面積の割合は1:1のため、

敷地全体の建蔽率は 

 10/10 × 1/2 + 8/10 × 1/2

= 10/20 + 8/20 = 9/10

となります。

【容積率】

令第135条の20第1項により Wa = (12 − Wr)(70 – L)/70  の計算による数値を求めます。

  Wa:敷地に対する全面道路幅員に加える数値

  Wr:前面道路の幅員

  L:法第52条第9項の特定道路からその建築物の敷地が接する前面道路の部分の 直近の端までの延長長さ

Wa = (12 – 10)(70 – 35)/70

  = 2 × 35/70 = 1

よって、前面道路の最大幅員は 10 + 1 = 11m となります。

法第52条により、商業地域と準住居地域それぞれの容積率を算出します。

・商業地域

 80/10 又は 11 × 6/10 = 66/10 となります。

 小さい値を採用するため、商業地域の容積率は 66/10 となります。

・準住居地域

  30/10 又は 11 × 4/10 = 44/10 となります。

 小さい値を採用するため、準住居地域の容積率は 30/10 となります。

商業地域と準住居地域の敷地面積の割合は1:1のため、

敷地全体の容積率は、

 66/10 × 1/2 + 30/10 × 1/2

= 66/20 + 30/20 = 48/10

となります。

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03

容積率(法52条):建築物の敷地が2以上の地域にわたる場合、それぞれの敷地の割合をそれぞれの容積率に乗じた数値を合計したものがその敷地の容積率となります。
容積率については「指定容積率」と「前面道路による容積率」のうち、厳しい方を採用します。
設問の場合は特定道路による容積率の緩和が適用され、前面道路は11mとなります。
それぞれの地域の法定容積率は商業地域では80/10、準住居地域では30/10ですが、前面道路による容積率は、商業地域では11m×0.6=6.6→66/10、準住居地域では11m×0.4=4.4→44/10となります。
2つのうち厳しい方が採用されるので、容積率は商業地域では66/10、準住居地域では30/10となります。
それぞれの地域の敷地面積は600㎡なので、600×6.6+600×3.0/600+600=5760/1200=4.8→48/10となります。
建蔽率(法53条):建築物の敷地が2以上の地域にわたる場合、それぞれの敷地の割合をそれぞれの建蔽率に乗じた数値を合計したものがその敷地の建蔽率となります。
建蔽率は「防火地域内・耐火建築物による緩和」と「角地緩和」があり、それぞれの法定建蔽率に1/10ずつ加えることが出来ます。
それぞれの地域の法定建蔽率は商業地域では8/10、準住居地域では6/10ですが、商業地域では建蔽率の適用除外により10/10、準住居地域では防火地域内・耐火建築物による緩和と角地緩和が適用され8/10となります。
それぞれの地域の敷地面積は600㎡なので、600×10+600×8/600+600=10800/1200=9→9/10となります。

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