一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科3(法規) 問67

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問題

一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科3(法規) 問67 (訂正依頼・報告はこちら)

防火地域及び準防火地域以外の地域における建築物の用途の変更に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、増築、大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないものとする。
  • 延べ面積 150 m2 、高さ 15 m 、地上 3 階建ての「一戸建ての住宅(耐火建築物及び準耐火建築物以外の建築物)」を「旅館」に用途変更しようとする場合、有効かつ速やかに火災の発生を感知して報知できるものとする技術的基準に従って警報設備を設置すれば、主要構造部を耐火構造とする必要はない。
  • 延べ面積 150 m2 の「一戸建ての住宅」を「物品販売業を営む店舗」に用途変更しようとする場合、所定の基準に適合させる必要があるが、用途変更に伴う確認済証の交付を受ける必要はない。
  • 建築基準法第 3 条第 2 項の規定により排煙設備の規定の適用を受けない「事務所」について、2 以上の工事に分けて「飲食店」とするための用途変更に伴う工事を行う場合、特定行政庁による工事に係る全体計画の認定を受けていれば、いずれの工事の完了後であっても、現行基準に適合するように排煙設備を設置するための改修を行う必要はない。
  • 既存建築物の用途を変更して、国際的な規模の競技会を行うための「特別興行場等」として利用する場合、特定行政庁の許可を受けることにより、建築基準法第 21 条及び第 27 条の規定に基づく主要構造部に対する規制等を受けることなく、一年を超えて使用することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1:設問通りです
設問の旅館は法第27条第1項第一号、法別表第1(2)欄の耐火建築物としなければならない特殊建築物に該当しますが、
法第27条第1項第一号かっこ書き、令第110条の4,5より、階数が3で延べ面積が200m²未満、3階以上を旅館の用途に用い、かつ技術的基準に従った警報設備を設置した場合、この基準の適用が除外されますので、主要構造部を耐火構造とする必要はありません。

2:設問通りです
法第6条第1項第一号、法第87条第1項より用途変更後に法別表第1に該当する特殊建築物とする場合、確認済証の交付が必要ですが、設問ではその用途に供する部分の床面積が200m²を超えていないのでその必要はありません。

3:誤りです
法第87条第3項より、既存不適格の用途の変更を行う場合、用途変更後の建築物は当該規定を満たす必要があります。
しかし、2 以上の工事に分けて用途変更に伴う工事を行う場合、法第87条の2より上記の条文の読み替えがあり、「最後の工事に着手するまで」は排煙設備の規定(法第35条)は適用されませんが、「最後の工事の着手の後」においては適用させる必要があります。

4:設問通りです
法第87条の3第5項、6項に記載があります。

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02

正解は3です。

1:〇

法第27条第1項第一号、法別表第1(2)欄より、旅館は耐火建築物としなければなりません。

しかし、かっこ書きより、階数が3で延べ面積が200m²未満もの(別表(ろ)欄、別表(い)欄(2 )に掲げるもの:3階以上旅館の用途の場合にあっては、技術的基準に従った警報設備を設置したもの)は除かれます。

よって、設問の建物は、主要構造部を耐火構造とする必要はありません。

2:〇

法第6条第1項、法第87条第1項より、用途変更して法第6条第1項第一号の特殊建築物とする場合、確認済証の交付を受けなければいけません。法第6条第1項第一号より、確認済証の交付が必要なのは、その用途に供する部分の床面積が200m²超えるものです。

設問の建物は150㎡なので、確認済証の交付は不要です。

3:✕

法3条第2項、法第87条の2より、2 以上の工事に分けて用途変更に伴う工事を行う場合、認定を受けた全体計画に係る2以上の工事のうち、最後の工事に着手するまではこの限りではありません。よって、工事完了後は現行基準に適合するように改修しないといけません。

4:〇

法第87条の3第5項、6項に記載があります。

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03

この問題は、建築基準法上の用途変更に関する問題です。

見慣れない問題であるため、法第87条~法第87条の3の内容をしっかり復習しておきましょう。

選択肢1. 延べ面積 150 m2 、高さ 15 m 、地上 3 階建ての「一戸建ての住宅(耐火建築物及び準耐火建築物以外の建築物)」を「旅館」に用途変更しようとする場合、有効かつ速やかに火災の発生を感知して報知できるものとする技術的基準に従って警報設備を設置すれば、主要構造部を耐火構造とする必要はない。

正しいです。

設問の建築物は、法別表第1(2)欄の特殊建築物に該当するため、耐火建築物としなければなりませんが、法第27条第1項第一号により、階数が3で延べ面積が200㎡未満であり、技術的基準に従った警報設備を設置する場合は、耐火建築物とする必要はありません。

よって、設問の建築物は主要構造部を耐火構造とする必要はありません。

選択肢2. 延べ面積 150 m2 の「一戸建ての住宅」を「物品販売業を営む店舗」に用途変更しようとする場合、所定の基準に適合させる必要があるが、用途変更に伴う確認済証の交付を受ける必要はない。

正しいです。

法第87条第1項により、建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合においては、確認済証の交付を受ける必要がありますが、設問の建築物は200㎡以下であるため確認済証の交付を受ける必要はありません。

選択肢3. 建築基準法第 3 条第 2 項の規定により排煙設備の規定の適用を受けない「事務所」について、2 以上の工事に分けて「飲食店」とするための用途変更に伴う工事を行う場合、特定行政庁による工事に係る全体計画の認定を受けていれば、いずれの工事の完了後であっても、現行基準に適合するように排煙設備を設置するための改修を行う必要はない。

誤りです。

法第87条第3項により、既存不適格の建築物の用途を変更する場合、排煙設備の規定を準用しなければなりません。

また、法第87条の2第1項により、2以上の工事に分けて用途の変更に伴う工事を行う場合の制限緩和規定は「最後の工事に着手するまで」の規定である為、工事完了後は法第35条の規定に適合させる必要があります。

選択肢4. 既存建築物の用途を変更して、国際的な規模の競技会を行うための「特別興行場等」として利用する場合、特定行政庁の許可を受けることにより、建築基準法第 21 条及び第 27 条の規定に基づく主要構造部に対する規制等を受けることなく、一年を超えて使用することができる。

正しいです。

法第87条の3第5項、第6項に規定されています。

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