一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科1(計画) 問9

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問題

一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科1(計画) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

図は、公共施設が建つ敷地内の主要な経路上の傾斜路を計画した模式図である。「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(国土交通省)」に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
問題文の画像
  • 転倒防止や休憩、減速ができるように、傾斜路の途中に設置した踊り場の踏幅Aを、1,600mmとした。
  • 車椅子使用者が自力で上り下りできるように、傾斜路の水平距離Bを、8,000mmとした。
  • 人と車椅子使用者がすれ違えるように、傾斜路の有効幅Cを、1,500mmとした。
  • 白杖等による危険の認知、車椅子のキャスター等の脱輪防止のため、側壁がない傾斜路及び踊り場側端の立ち上がりDを、50mmとした。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、傾斜路に関わる寸法を正確に覚える必要があります。

選択肢1. 転倒防止や休憩、減速ができるように、傾斜路の途中に設置した踊り場の踏幅Aを、1,600mmとした。

適当です。

高さ750mmを超える傾斜路では、高さ750mm以内ごとで踊り場(1,500mm以上)を設ける必要があります。

選択肢2. 車椅子使用者が自力で上り下りできるように、傾斜路の水平距離Bを、8,000mmとした。

不適当です。

傾斜路の勾配は最低でも1/12とする必要がありますので、750mm × 12 = 9,000mmで、少なくとも9,000mm必要となります。

選択肢3. 人と車椅子使用者がすれ違えるように、傾斜路の有効幅Cを、1,500mmとした。

適当です。

人と車椅子使用者がすれ違えるような傾斜路の幅1,500mm以上です。

選択肢4. 白杖等による危険の認知、車椅子のキャスター等の脱輪防止のため、側壁がない傾斜路及び踊り場側端の立ち上がりDを、50mmとした。

適当です。

側壁がない傾斜路及び踊り場側端の立ち上がりは、白杖等による危険の認知、車椅子のキャスター等の脱輪防止のために50mm以上とする必要があります。

まとめ

傾斜路に関する寸法を覚えるためには実際に問題を解くことで覚えられるので何度も問題を解くことをオススメします。

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02

建築物移動等円滑化誘導基準のスロープに関する基準を理解しておきましょう。

選択肢1. 転倒防止や休憩、減速ができるように、傾斜路の途中に設置した踊り場の踏幅Aを、1,600mmとした。

正しいです。

150cm以上の幅の踊り場が必要なため、1,600mmは適切です。

選択肢2. 車椅子使用者が自力で上り下りできるように、傾斜路の水平距離Bを、8,000mmとした。

こちらが誤りです。

勾配1/12が必要なので、高さ750mmの場合、水平距離Bは9,000mmになります。

選択肢3. 人と車椅子使用者がすれ違えるように、傾斜路の有効幅Cを、1,500mmとした。

正しいです。

幅は、階段に代わるものは 150cm以上、階段に併設するものは 120cm以上必要です。

選択肢4. 白杖等による危険の認知、車椅子のキャスター等の脱輪防止のため、側壁がない傾斜路及び踊り場側端の立ち上がりDを、50mmとした。

正しいです。

視覚障がい者の白杖による危険の認知や、車椅子のキャスターの脱輪防止を目的として、傾斜路の端には立ち上がりを設けることが望ましいです。

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03

この問題は、バリアフリー法に関する実務的な問題です。

覚える寸法が多いので、図で整理しましょう。

選択肢1. 転倒防止や休憩、減速ができるように、傾斜路の途中に設置した踊り場の踏幅Aを、1,600mmとした。

正しいです。

傾斜路の踊り場は、高さ750mm以内ごとに踏幅1500mm以上の踊場を設けることが必要です。

選択肢2. 車椅子使用者が自力で上り下りできるように、傾斜路の水平距離Bを、8,000mmとした。

誤りです。

傾斜路の勾配は1/12以下とする必要があるため、750mm×12 = 9000mmの傾斜路が必要です。

選択肢3. 人と車椅子使用者がすれ違えるように、傾斜路の有効幅Cを、1,500mmとした。

正しいです。

階段に代わるものの通路幅は、1500mm以上必要です。

選択肢4. 白杖等による危険の認知、車椅子のキャスター等の脱輪防止のため、側壁がない傾斜路及び踊り場側端の立ち上がりDを、50mmとした。

正しいです。

側壁がない傾斜路及び踊り場の側端立ち上がりは、脱輪防止のため、50mm~150mm程度にする必要があります。

参考になった数4