一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科3(法規) 問52
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科3(法規) 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
図のような木造、地上2階建ての住宅(屋根を金属板で葺いたもの)の1階部分について、桁行方向に設けなければならない構造耐力上必要な軸組の最小限の長さとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。ただし、小屋裏等に物置等は設けず、区域の地盤及び地方の風の状況に応じた「地震力」及び「風圧力」に対する軸組の割増はないものとし、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算は行わないものとする。なお、1階部分の軸組の構造の判定に用いる1階の床面積については、60m2とする。また、図は略図とする。
- 1,710cm
- 1,740cm
- 1,980cm
- 2,250cm
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この過去問の解説 (3件)
01
施行令第46条に関する問題ですね。
木造建築物の必要軸組長さは、地震力に対するものと風圧力に対するものの2つを計算して、各方向で大きい方の値を必要長さとします。
① 地震力に対する必要な軸組の長さ
施行令第46条第4項表2より、屋根を金属板など軽い材料でふいたもので、階数が2の建築物の1階部分の床面積に乗じる値は29となります。
必要長さ:60m2 × 29㎝/m2 = 1740 ㎝
② 風圧力に対する必要な軸組の長さ
同じく施行令第46条第4項より、見付面積からその階の床面からの高さが1.35m以下の部分の見付面積を減じたものに50を乗じて得た数値となります。
見附面積:45m2 − (1.35m + 0.45m) × 6m = 34.2m2
必要長さ:34.2m2 × 50㎝/m2 = 1710 ㎝
① の方が大きいため、1,740㎝ が必要長さとなります。
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02
令第46条第4項により、必要な軸組の長さは地震力と風圧力に対する数値を計算し、大きい数値以上としなければなりません。
・地震力
建物は床面積60㎡、屋根を金属板で葺いたものであるため、
60㎡ × 29cm/㎡ = 1740cm
・風圧力
建物は見付面積45㎡、令第46条第4項表3(2)の区域のため、
45㎡ − 6m × (1.35m + 0.45m) = 34.2㎡
34.2㎡ × 50cm/㎡ = 1710cm
よって、桁行方向に設けなければならない構造耐力上必要な軸組の長さは 1740cm となります。
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03
木造軸組計算(令46条4項)の計算問題です。
①地震力と②風圧力による軸組長さをそれぞれ算出し、大きい方が必要な最小限の軸組長さとなります。
①地震力による軸組長さ
階数2の1階の軸組を求めます。
令46条4項表2より、令43条1項表2の(2)の建築物です。
1階床面積に29cm/m2を乗じます。
60cm2 × 29cm/m2 = 1740cm
必要軸組長さ ≧ 1740cm
②風圧力による軸組長さ
1階桁行方向算定用見付面積を求めます。
斜線部見付面積45m2(図より)に、その階の床面からの高さが1.35m以下の部分の見付面積を減じたもので算出します。
45m2 − ( 1.35m + 0.45m ) × 6m = 34.2m2
算出した見付面積に、令46条4項表3の(2)の50cm/m2を乗じます。
34.2m2 × 50cm/m2 = 1710 cm
必要軸組長さ ≧ 1710cm
①の地震力による軸組長さの方が大きいため、選択肢3の 1,740cm が正しいです。
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