一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(環境・設備) 問14

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問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(環境・設備) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

給水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 作動している給水ポンプ内のキャビテーションは、水温が一定の場合、ポンプ吸込口の管内圧力が低いときに発生しやすい。
  • 大便器洗浄弁には、逆サイホン作用による汚物の給水管への逆流を防止するために、バキュームブレーカーを設ける。
  • 飲料水用配管から空調設備配管へ給水する場合には、クロスコネクションを防止するために、一般に、逆止め弁を設ける。
  • 高置水槽方式において、揚水管の横引きは、ウォーターハンマーの発生原因となる水柱分離を防止するために、できるだけ低い位置で計画する。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、給水設備に関する問題です。

給水管内で起こる現象と名称をしっかり覚えて、解答できるように学習しましょう。

選択肢1. 作動している給水ポンプ内のキャビテーションは、水温が一定の場合、ポンプ吸込口の管内圧力が低いときに発生しやすい。

正しいです。

キャビテーションは、液体中に気泡が生じる現象であり、液体内が低圧状態となった時に発生しやすいです。

選択肢2. 大便器洗浄弁には、逆サイホン作用による汚物の給水管への逆流を防止するために、バキュームブレーカーを設ける。

正しいです。

バキュームブレーカーとは、断水などで給水管内が負圧になる時に、逆流を防止する装置です。

大便器洗浄弁には、逆サイホン作用による汚物の逆流防止のために、バキュームブレーカーを設置します。

選択肢3. 飲料水用配管から空調設備配管へ給水する場合には、クロスコネクションを防止するために、一般に、逆止め弁を設ける。

誤りです。

クロスコネクションとは、上水と上水以外の水が混じってしまう配管のことです。

上水と上水以外の配管は、たとえ逆止め弁を付けたとしても、接続してはいけません。

選択肢4. 高置水槽方式において、揚水管の横引きは、ウォーターハンマーの発生原因となる水柱分離を防止するために、できるだけ低い位置で計画する。

正しいです。

高置水槽方式で揚水管の横引きを屋上付近で長くしてしまうと、水柱分離が起こりやすく、ウォーターハンマーの原因となります。

よって、揚水管の横引きは地上付近で長くするのが適切です。

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02

この問いは、給水設備に関する問題です。

選択肢1. 作動している給水ポンプ内のキャビテーションは、水温が一定の場合、ポンプ吸込口の管内圧力が低いときに発生しやすい。

正しいです。

キャビテーションとは、流体の流れの中で流体内部の静圧が局部的に低下し、飽和蒸気圧以下に達すると、その部分で水が蒸発して気泡が発生する現象です。そのため、ポンプ吸込口の管内圧力が低いときに発生しやすいです。

 

選択肢2. 大便器洗浄弁には、逆サイホン作用による汚物の給水管への逆流を防止するために、バキュームブレーカーを設ける。

正しいです。

バキュームブレーカーは、給水配管内が負圧になったときに、管内に空気を補充して、逆流を防止するための器具です。

選択肢3. 飲料水用配管から空調設備配管へ給水する場合には、クロスコネクションを防止するために、一般に、逆止め弁を設ける。

誤りです。

上水用配管・給湯用配管と井水を含むその他の配管系統が直接接続されることをクロスコネクションといいます。飲料水が汚染される原因となるため禁止されています。接続部に逆止弁が設置されていてもクロスコネクションとなり、直接接続してはなりません。

選択肢4. 高置水槽方式において、揚水管の横引きは、ウォーターハンマーの発生原因となる水柱分離を防止するために、できるだけ低い位置で計画する。

正しいです。

高置水槽方式の給水設備において、揚水ポンプが停止したときに、配管内の水は慣性力によって流れを持続しますが、立て管内では下方へ向かって重力が加わります。これによって配管内が部分的に負圧になり、そのときの水が蒸発し、気泡が生じる現象を水柱分離といいます。横引き管を建築物のできるだけ低い位置に設けるほうがよいです。水柱分離が生じると、その後、配管内の圧力が戻って水柱が再び結合する際に、水撃圧によるウォーターハンマーが起きやすいです。

 

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