一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科3(法規) 問26

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問題

一級建築士試験 令和5年(2023年) 学科3(法規) 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、誤っているものはどれか。
  • 「建築物移動等円滑化誘導基準」においては、多数の者が利用する主たる階段は、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、回り階段とすることができる。
  • 床面積の合計が2,000m2の物品販売業を営む店舗を新築する場合、移動等円滑化経路を構成する階段に併設する傾斜路の幅は、90cm以上としなければならない。
  • 建築主等は、床面積の合計が3,000m2の共同住宅を新築する場合、当該建築物を「建築物移動等円滑化基準」に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
  • 建築主等は、事務所の便所の修繕をしようとするときは、当該便所を「建築物移動等円滑化基準」に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

バリアフリー法に関する問題です。

選択肢1. 「建築物移動等円滑化誘導基準」においては、多数の者が利用する主たる階段は、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、回り階段とすることができる。

誤りです。

バリアフリー法17条第3項第1号及び省令4条第9号より

建築物移動等円滑化誘導基準においては、多数の方が利用される主たる階段は、回り階段とすることはできません

なお、同法令12条第6号ただし書より

建築物移動等円滑化基準においては、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難である場合は、回り階段とすることができます

選択肢2. 床面積の合計が2,000m2の物品販売業を営む店舗を新築する場合、移動等円滑化経路を構成する階段に併設する傾斜路の幅は、90cm以上としなければならない。

正しいです。

バリアフリー法14条第1項同法5条第6号及び9条より

2,000㎡の物品販売業を営む店舗は、建築物移動等円滑化基準に適合させなければなりません。

さらに、同法10条第1項より、同法18条の移動等円滑化経路の基準は建築物移動等円滑化基準の一つであるため、同条第2項第4号イより

傾斜路の幅は、階段に代わるものは120cm以上階段に併設するものは、90cm以上としなければなりません。

選択肢3. 建築主等は、床面積の合計が3,000m2の共同住宅を新築する場合、当該建築物を「建築物移動等円滑化基準」に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

正しいです。

バリアフリー法16条第1項より

建築主等は、特別特定建築物を除く特定建築物の建築を行う際には、当該特定建築物を建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講じるよう努めなければなりません

同法4条第9号より

共同住宅は特定建築物であり、特別特定建築物には該当しないため、同基準への適合は努力義務であり、義務ではありません。

選択肢4. 建築主等は、事務所の便所の修繕をしようとするときは、当該便所を「建築物移動等円滑化基準」に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

正しいです。

バリアフリー法16条第2項より

建築主等は、特別特定建築物を除く特定建築物の建築物特定施設の修繕又は模様替えを行う際には、建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講じるよう努めなければなりません

同法4条第8号より

事務所は特定建築物であり、特別特定建築物には該当しないため、同基準への適合は努力義務であり、義務ではありません。

まとめ

各項目についてしっかり学習しましょう。

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02

この問いは、バリアフリー法に関する問題です。

選択肢1. 「建築物移動等円滑化誘導基準」においては、多数の者が利用する主たる階段は、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、回り階段とすることができる。

誤りです。

バリアフリー法17条3項一号及び省令4条九号によると、建築物移動等「円滑化誘導基準」においては、多数の方が利用される主たる階段は、回り階段とすることはできません。なお、建築物移動等「円滑化基準」においては、同法令12条六号ただし書により、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難である場合は、回り階段とすることができます。

選択肢2. 床面積の合計が2,000m2の物品販売業を営む店舗を新築する場合、移動等円滑化経路を構成する階段に併設する傾斜路の幅は、90cm以上としなければならない。

正解です。

バリアフリー法14条1項、同法5条六号及び9条により、2,000平方メートルの物品販売業を営む店舗は、建築物移動等円滑化基準に適合させなければなりません。さらに同法10条1項により、同法18条の移動等円滑化経路の基準は建築物移動等円滑化基準の一つであるため、同条2項四号イにより、傾斜路の幅は、階段に代わるものは120センチメートル以上、階段に併設するものは、90センチメートル以上としなければなりません。

選択肢3. 建築主等は、床面積の合計が3,000m2の共同住宅を新築する場合、当該建築物を「建築物移動等円滑化基準」に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

正解です。

バリアフリー法16条1項により、建築主等は、特別特定建築物を除く特定建築物の建築を行う際には、当該特定建築物を建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講じるよう努めなければなりません。共同住宅は、同法4条九号により特定建築物であり、同法5条の特別特定建築物には該当しないため、同基準への適合は努力義務であり、義務ではありません。

選択肢4. 建築主等は、事務所の便所の修繕をしようとするときは、当該便所を「建築物移動等円滑化基準」に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

正解です。

バリアフリー法16条2項により、建築主等は、特別特定建築物を除く特定建築物の建築物特定施設の修繕又は模様替えを行う際には、建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講じるよう努めなければなりません。事務所は、同法4条八号により特定建築物であり、特別特定建築物には該当しないため、同基準への適合は努力義務であり、義務ではありません。

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