一級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科5(施工) 問22

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問題

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は鉄筋コンクリート造の建築物の改修工事に関する問題です。改修工事は工法の種類とそれぞれの特徴をしっかり理解できるようにしておきましょう。

選択肢1. 既存の柱と壁との接合部に耐震スリットを新設する工事において、既存の外壁に幅30mmのスリットを設け、耐火性能を有したスリット材を挿入したうえで、屋外側及び屋内側の2か所をシーリング材により止水処理した。

正しいです。

既存の柱と壁の間に耐震スリットを新設する工事において既存の外壁に30mm~40mm程度の隙間を設け、スリットを新設します。また、止水処理は外部側及び内部側の2箇所をシーリング材にてシールします。

選択肢2. あと施工アンカー工事において、接着系アンカーの埋込み時に接着剤がコンクリート表面まであふれ出てこなかったので、直ちにアンカー筋を引き抜き、カプセルを追加して接着剤があふれ出るようにアンカー筋を埋め込んだ。

正しいです。

あと施工アンカー工事において接着系アンカーは接着剤がコンクリート表面まであふれ出てくることを確認します。

選択肢3. あと施工アンカー工事において、騒音、振動対策が必要とされたことから、穿(せん)孔機械にハンマードリルを採用した。

誤りです。

ハンマードリルは大きな騒音や振動が発生してしまうため、鋼管コッター工法等騒音、振動が発生しづらい方法を選択することが適切です。

選択肢4. 現場打ち鉄筋コンクリート壁の増設工事において、既存梁下端と増設壁上端との取合い部分に注入するグラウト材については、空気抜きを既存梁下端に設け、その位置より10cm程度高い位置に設けた空気抜きの管の先端からグラウト材がオーバーフローすることにより注入状況を確認した。

正しいです。

既存構造体である梁と増設壁との取り合い部にはグラウト材を注入し、設置した空気抜きからグラウト材が出てくることを確認します。また、空気抜き孔の先端は梁下より5~10cm程度高くしておきます。

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02

耐震改修工事に関しては、様々な工法がありますので、

過去に出題された内容についてはしっかり理解して、

新規出題があっても落ち着いて解けるようにしましょう。

選択肢1. 既存の柱と壁との接合部に耐震スリットを新設する工事において、既存の外壁に幅30mmのスリットを設け、耐火性能を有したスリット材を挿入したうえで、屋外側及び屋内側の2か所をシーリング材により止水処理した。

正。設問の通りです。

耐震スリットとは、鉄筋コンクリート造の壁の柱の際、

梁上、梁下などに設ける緩衝材のことで、

雑壁が地震時に柱や梁に悪影響を及ぼさないように設けます。

選択肢2. あと施工アンカー工事において、接着系アンカーの埋込み時に接着剤がコンクリート表面まであふれ出てこなかったので、直ちにアンカー筋を引き抜き、カプセルを追加して接着剤があふれ出るようにアンカー筋を埋め込んだ。

正。設問の通りです。

接着系アンカーの埋込み時をする際には、

接着剤を確実に充填するため、

孔から接着剤があふれ出ることを確認します。

選択肢3. あと施工アンカー工事において、騒音、振動対策が必要とされたことから、穿(せん)孔機械にハンマードリルを採用した。

誤。

ハンマードリルでは大きな振動・騒音が発生してしまうので、

工事中の騒音や振動を抑制できる鋼管定着工法(鋼管コッター工法)などを選択します。

選択肢4. 現場打ち鉄筋コンクリート壁の増設工事において、既存梁下端と増設壁上端との取合い部分に注入するグラウト材については、空気抜きを既存梁下端に設け、その位置より10cm程度高い位置に設けた空気抜きの管の先端からグラウト材がオーバーフローすることにより注入状況を確認した。

正。設問の通りです。

グラウト材は無収縮高強度モルタルとも呼ばれます。

グラウト材の注入の際に空気が入ってしまうので、

空気を抜くために空気抜きを設け、オーバーフローするまで注入します。

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