二級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科1(建築計画) 問5

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問題

二級建築士試験 平成27年(2015年) 学科1(建築計画) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

熱貫流率が1.0W/(m2・K)の壁体に、熱伝導率が0.04W/(m・K)の断熱材を40mmの厚さで設けたときの壁体の熱貫流率の値として、正しいものは、次のうちどれか。
  • 0.5W/(m2・K)
  • 0.6W/(m2・K)
  • 0.7W/(m2・K)
  • 0.8W/(m2・K)
  • 0.9W/(m2・K)

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この過去問の解説 (3件)

01

「熱貫流率」はU値ともいい、壁の内外の空気温度に1度の差がある場合に、単位時間あたりに壁1㎡を通過する「熱量」のことです。部材の熱の通りやすさを表すもので、数値が低いほど断熱性が高いことを示します。
「熱抵抗値」は熱貫流率の逆数であり、材料固有の熱伝導率と厚みから算出できます。
問題を解くにあたっては、単位を意識し、統一させることが大切です。この問題では、断熱材の厚み(40ミリ)をメートルに換算(0.04メートル)しておきましょう。

まずは、この2つの式を覚えてください。
【熱抵抗値(㎡K/W)=厚さ(m)/熱伝導率(W/mK)】
【熱貫流率(W/㎡K)=1/熱抵抗値】

では問題を解きます。
①断熱材の熱抵抗値:0.04m/0.04(W/mK) =1(㎡K/W)
②壁体の熱抵抗値:1.0(㎡K/W)・・・これは壁体の熱貫流率が1.0(W/㎡K)であることから導けます。
よって、断熱材入りの壁体の熱貫流率は、
1/(1+1)(㎡K/W)=0.5(W/㎡K)
となり、正解は1です。

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02

壁の熱貫流率Kは下記の式で計算することができます。

K = 1/(1/αi) + (Li/λi) + Σi + Ri + 1/αo

ここで
αi 室内側総合熱伝導率
αo 室外側総合熱伝導率
Li 建材iの厚み
λi 建材iの熱伝導率
Ri 中空層iの熱抵抗値

ちなみに
熱抵抗値 = 厚さ/熱伝導率 ①
熱貫流率 K = 1/熱抵抗値 ② です。

まずは断熱材の熱抵抗値を計算します。
0.04/0.04 = 1.00
壁体の熱抵抗値 = 1.00から熱貫流率は 1.00 と導き出されます。(②の式より)

ゆえに
K = 1/(1+1) = 0.5となり、
正解は設問1の 0.5 です。

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03

正解は1です。

熱感流量の式は、
K = 1 / { (1/αi)+(Σd/λ)+(1/αo) }

(αi = 屋内側熱伝達率、αo = 屋外側熱伝達率、
 d = 材料の厚さ(単位がmな点に注意)、λ = 材料熱伝導率)

今回、熱貫流率が1.0なのでこの式の (1/αi)+(1/αo) の部分が1.0になります。
→断熱材を入れていない状態で1.0ということより上の式に代入すると、
 1.0 = 1 / { (1/αi)+0+(1/αo) } となり、
 (1/αi)+(1/αo) の部分が 1.0 になるということです。

したがって、
K = 1 / { 1.0+(Σd/λ) } となります。

各条件を代入すると、
K = 1 / { 1.0+(0.04/0.04) } = 0.5W/(㎡・K)

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