二級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科3(建築構造) 問17
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問題
二級建築士試験 平成27年(2015年) 学科3(建築構造) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 一つの継手に高力ボルトと普通ボルトを併用する場合には、一般に、全応力を高力ボルトが負担するものとして設計する。
- 炭素鋼を高力ボルト摩擦接合によって接合する場合の摩擦面は、一般に、黒皮、浮き錆、油及び塗料を取り除き、赤錆を発生させる等の処理をする。
- 隅肉溶接の有効長さは、まわし溶接を含めた溶接の全長から隅肉のサイズの2倍を減じて算出する。
- 構造計算に用いる隅肉溶接の溶接部の有効面積は、(溶接の有効長さ)×(隅肉のサイズ)により算出する。
- 溶接継目ののど断面に対する短期許容引張応力度は、長期許容引張応力度の1.5倍である。
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この過去問の解説 (3件)
01
1、一つの継手に高力ボルトと普通ボルトを併用する場合、高力ボルトと普通ボルトは応力を分担することはできないため、一般に全応力を高力ボルトが負担するものとして設計します。
したがって正しい記述となります。
2、炭素鋼を高力ボルト摩擦接合によって接合する場合の摩擦面は、一般に、黒皮、浮き錆、油及び塗料を取り除き、赤錆を発生させる等の処理をします。赤錆を発生させザラザラした面をつくることで、抵抗力が大きくなります。
したがって正しい記述となります。
3、隅肉溶接は鋼材をT型につないだり、板状の部材を重ねてつないだりする場合に用いられる溶接方法です。隅肉溶接の有効長さは、まわし溶接を含めた溶接の全長から隅肉のサイズの2倍を減じて算出します。始端と終端は溶接不良が多いため、サイズ分差し引く必要があります。
したがって正しい記述となります。
4、隅肉溶接の溶接部の有効面積は、(溶接の有効長さ)×(有効のど厚)により算出します。有効のど厚は溶接の厚みのうち、応力が伝わる厚みのことをいいます。
したがって誤った記述となります。
5、 溶接継目ののど断面に対する短期許容引張応力度は、長期許容引張応力度の1.5倍です。
したがって正しい記述となります。
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02
隅肉溶接の有効面積 = (溶接の有効長さ) × (有効のど厚さ) です。
有効のど厚は、隅肉サイズではありません。よって、誤りです。
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03
1、一つの継手に高力ボルトと普通ボルトを併用する場合、力の伝達方法が違うため加算して計算することができません。
そのため併用する場合は、全応力を高力ボルトが負担するものとして設計する必要があります。
したがって正しい記述となります。
2、摩擦面はすべり耐力を一定量得られるように赤錆を発生させる必要があります。
したがって正しい記述となります。
3、隅肉溶接の有効長さ = (まわし溶接を含めた溶接の全長) − 2S(隅肉サイズ) です。
したがって正しい記述となります。
4、隅肉溶接の溶接部の有効面積 = (溶接の有効長さ) × (隅肉のど厚) です。
したがって誤りの記述となります。
5、溶接継目ののど断面に対する短期許容引張応力度は、長期許容引張応力度の1.5倍です。
また、長期において圧縮・引張•曲げは F/1.5 で、せん断は F/1.5√3 となります。
したがって正しい記述となります。
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