二級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科3(建築構造) 問14

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問題

二級建築士試験 平成30年(2018年) 学科3(建築構造) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 梁の圧縮鉄筋は、長期荷重によるクリープたわみの抑制や地震時における靱性の確保に有効である。
  • 四周を梁で支持されている床スラブの厚さが、短辺方向における有効張り間長さの1/30以下の場合、建築物の使用上の支障が起こらないことについて確かめる必要がある。
  • 普通コンクリートを用いた柱の小径は、一般に、その構造耐力上主要な支点間の距離の1/15以上とする。
  • 袖壁付きの柱のせん断補強筋比は、原則として、0.3%以上とする。
  • 帯筋・あばら筋は、一般に、せん断ひび割れの発生を抑制することを主な目的として設ける。

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この過去問の解説 (2件)

01

1. 記述は正しいです
 梁に圧縮が生じる鉄筋では、つっかえ棒の状態で長期たわみに抵抗しているので、構造としては効果があります。

2. 記述は正しいです
平12告1459号に関連します。
スラブ厚が、短辺方向の有効はり間長さの1/30以下の場合は、使用上支障が起こらないことを確かめることになっています。

3. 記述は正しいです
 柱の最小径は、普通コンクリートで主要スパンの1/15以上とし、軽量コンクリートで主要スパンの1/10以上とします。

4. 記述は正しいです
 一般の帯筋比は0.2%以上としますが、袖壁が付く場合は柱の剛性が上がり、せん断に影響するため帯筋比を0.3%以上として計算します。

5. 記述は誤りです
 帯筋やあばら筋は、構造体に生じるせん断力を負担するために設けるものであり、せん断ひび割れを抑制するためのものではありません。

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02

正解は5です。


1、梁の圧縮鉄筋は、長期荷重によるクリープたわみの抑制や地震時における靱性の確保に有効です。
鉄筋はクリープ変形するコンクリートと違って変形しないため、クリープたわみの抑制や地震時における靱性の確保に有効となります。
したがって正しい記述となります。

2、 四周を梁で支持されている床スラブの厚さが、短辺方向における有効張り間長さの1/30以下の場合、建築物の使用上の支障が起こらないことについて確かめる必要があります。
原則では1/40以上確保できれば確認の必要も無くなります。
したがって正しい記述となります。

3、普通コンクリートを用いた柱の小径はその構造耐力上主要な支点間距離の1/15以上とします。
軽量コンクリートを使用した場合は1/10以上となります。
したがって正しい記述となります。

4、袖壁付きの柱のせん断補強筋比の規定は0.3%以上です。
したがって正しい記述となります。

5、帯筋・あばら筋は、せん断ひび割れの発生を抑制することが目的ではなく、ひび割れの伸展を防止することが主な目的として設けます。
したがって誤りの記述となります。

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