建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第48回(平成30年度(2018年))
問35 (建築物の環境衛生 問35)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第48回(平成30年度(2018年)) 問35(建築物の環境衛生 問35) (訂正依頼・報告はこちら)

赤外線の作用による疾患に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
  • 熱中症
  • 皮膚癌
  • 無精子症
  • 白血病
  • 急性角膜炎

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、赤外線の作用による疾患に関するものです。

 

赤外線は主に熱作用を及ぼし、体表や組織の温度上昇を招きます。

強い曝露では熱感・熱負荷の蓄積によって体温調節が破綻し、

熱中症を発症することがあります。

紫外線と異なり皮膚癌や急性角膜炎との関係はありません。

それぞれの波長をイメージすることが重要です。

選択肢1. 熱中症

正しいです。赤外線は波長が長く、エネルギーが熱として作用します。

長時間暴露されると体温上昇や水分・塩分の喪失により熱中症を引き起こします。

特に工場炉前作業や高温環境下では赤外線放射が強く、

体温調節機能が限界を迎えるため危険です。

この点が赤外線特有のリスクとされます。

工場の作業者は、水分、塩分補給を定期的に行う必要があります。

選択肢2. 皮膚癌

誤りです。皮膚癌は主に紫外線(特にUV-B)が関与します。

DNA損傷や突然変異を誘発する波長領域の作用によるものであり、

皮膚癌との関連は認められません。

選択肢3. 無精子症

誤りです。精巣温度の上昇は精子形成障害をもたらす可能性がありますが、

赤外線そのものが直接的に無精子症を引き起こすとはされていません。

高温環境に起因する二次的な影響を混同しやすい点に注意が必要です。

無精子症は、電磁波の方が影響が大きいとされています。

選択肢4. 白血病

誤りです。白血病は造血細胞の遺伝子異常による悪性疾患で、

赤外線との関連はありません。

放射線被曝(電離放射線)がリスク因子となることはありますが、

赤外線は電離作用を持たないため、因果関係はありません。

選択肢5. 急性角膜炎

誤りです。急性角膜炎は紫外線(特にUV-C)の曝露により、

発生する電気性眼炎が代表的です。

赤外線の場合は角膜透過性が低く、

主に熱感として眼に作用するにとどまります。

参考になった数4