建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第49回(令和元年度(2019年))
問58 (空気環境の調整 問58)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第49回(令和元年度(2019年)) 問58(空気環境の調整 問58) (訂正依頼・報告はこちら)

エアロゾル粒子とその測定粒径との組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
  • 雨滴 ――――― 100 μm
  • 海岸砂 ―――― 10 μm
  • 胞子 ――――― 1 μm
  • 噴霧液滴 ――― 0.1 μm
  • ウイルス ――― 0.01 μm

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「ウイルス ― 0.01 μm」です。

 

この問題は、エアロゾル粒子とその測定粒径との組合せに関するものです。

粒径は粒子の挙動や測定方法、空気環境への影響を左右する重要な要素です。

粒子が小さいほど空気中に長く浮遊しやすく、

感染症や汚染物質の拡散に関与します。

正しい粒径の理解は、空気環境の管理に不可欠です。

選択肢1. 雨滴 ――――― 100 μm

誤りです。雨滴は空気中の水蒸気が凝結して形成される液体粒子で、

粒径は通常1000 μm(1 mm)以上になることが多く、

100 μmでは小さすぎます。

100 μm程度の粒子は霧やミストに近く、

雨滴とは区別されます。

雨滴は重力の影響で速やかに落下し、

空気中に長時間浮遊することはありません。

選択肢2. 海岸砂 ―――― 10 μm

誤りです。海岸砂は主に鉱物粒子で構成されており、

粒径は数百μmから数mm程度が一般的です。

10 μmという粒径は非常に微細で、砂塵や粉塵に近いサイズです。

実際の海岸砂は風によって舞い上がることはあっても、

10 μmのような微粒子として空気中に浮遊することは稀です

選択肢3. 胞子 ――――― 1 μm

誤りです。胞子はカビや菌類が繁殖のために放出する微粒子で、

空気中に浮遊して人の呼吸器に影響を与えることがあります。

一般的な胞子の粒径は3〜10 μm程度で、

1 μmはやや小さ過ぎます。

1 μmの粒子は細菌や微細な粉塵に近く、

胞子の代表的なサイズではありません。

選択肢4. 噴霧液滴 ――― 0.1 μm

誤りです。噴霧液滴はスプレーや加湿器などから発生する微細な液体粒子で、

粒径は通常1〜10 μm程度です。

0.1 μmは極めて微細で、液滴というよりは気体状の粒子に近く、

通常の噴霧液滴のサイズではありません。

このサイズでは液滴の挙動が変わり、蒸発や拡散の影響が大きくなります。

選択肢5. ウイルス ――― 0.01 μm

不適当です。ウイルスの粒径は一般に0.02〜0.3μm程度であり、

0.01μmは実際のサイズよりも小さすぎます。

例えばインフルエンザウイルスは約0.1μm、コロナウイルスは約0.1〜0.15μmです。

まとめ

正しいです。ウイルスは生物の細胞に寄生して増殖する微細な粒子で、

粒径は通常20〜300ナノメートル(0.02〜0.3 μm)程度です。

0.01 μm(10ナノメートル)は最小クラスのウイルスに近い値で、

空気中に長時間浮遊しやすく、感染症の空気感染リスクに関与します。

空気環境の管理では、HEPAフィルターや陰圧室などの対策が必要となる粒径領域です。

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