建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問24 (建築物の環境衛生 問24)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問24(建築物の環境衛生 問24) (訂正依頼・報告はこちら)

体温調節に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 寒冷環境では、温暖環境に比較して、体内と身体表層部との温度差が小さくなる。
  • 平均皮膚温の算出式であるHardy-DuBoisの7点法で、皮膚温の重みづけが一番大きいのは腹である。
  • 冷房や扇風機の利用は、行動性体温調節である。
  • 熱放散は、対流、放射、伝導、蒸発の物理的過程からなる。
  • 核心温は、身体表面の温度に比べて、外気温の影響を受けにくい。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

寒冷環境では、温暖環境に比較して、体内と身体表層部との温度差が小さくなる。
寒い所では身体表面(皮膚)が大きく冷え、内部(核心)温度との差がむしろ大きくなります。血管収縮により皮膚への血流が減ることで熱が逃げにくくなり、この温度差はさらに拡大します。したがってこの記述が最も不適当です。

選択肢1. 寒冷環境では、温暖環境に比較して、体内と身体表層部との温度差が小さくなる。

実際は温度差が大きくなります。皮膚温が下がる一方、核心温はほぼ一定に保たれるためです。

選択肢2. 平均皮膚温の算出式であるHardy-DuBoisの7点法で、皮膚温の重みづけが一番大きいのは腹である。

7点法では下腿(leg)や大腿(thigh)が最も大きい係数で、腹はそれより小さい値です。やや不正確ですが、上記ほど決定的な誤りではありません。

選択肢3. 冷房や扇風機の利用は、行動性体温調節である。

体を動かさずに環境を調節して熱を逃がす行為は、行動性(行動的)体温調節に該当します。

選択肢4. 熱放散は、対流、放射、伝導、蒸発の物理的過程からなる。

体表面の熱はこの4つの仕組みですべて外へ移動します。教科書的な定義どおりです。

選択肢5. 核心温は、身体表面の温度に比べて、外気温の影響を受けにくい。

深部臓器は保温組織と血液循環で守られているため、外気が変わっても温度が大きく変動しません。正しい説明です。

まとめ

体温調節では、

核心温の安定を最優先に守るしくみが働き、

皮膚温が外気の影響を大きく受けます。

寒いほど核心と皮膚の差は広がるーーこの基本原理を押さえておくと、選択肢の真偽が判断しやすくなります。

参考になった数0