建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問23 (建築物の環境衛生 問23)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問23(建築物の環境衛生 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

温熱環境指数に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 黒球温度は、熱放射と対流に関わる温度の測定に用いられる。
  • 湿球黒球温度(WBGT)は、屋内外における暑熱作業時の暑熱ストレスを評価するために使用されている。
  • 有効温度は、湿度100%で無風の部屋の気温に等価な環境として表す主観的経験指数である。
  • 標準新有効温度は、気温、湿度、風速、熱放射、着衣量、代謝量の6要素を含んだ温熱環境の指標である。
  • 不快指数は、気温に関係なく用いられる指標である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

不快指数は、気温に関係なく用いられる指標である。
不快指数(DI)は「気温」と「相対湿度」の2要素から計算します。気温を無視して成り立つ指標ではないため、この記述が最も不適当です。

選択肢1. 黒球温度は、熱放射と対流に関わる温度の測定に用いられる。

塗装した中空球体の内部に温度計を入れ、放射と空気の動きの影響を一体で把握する方法です。高温作業場や屋外での熱ストレス評価に欠かせます。

選択肢2. 湿球黒球温度(WBGT)は、屋内外における暑熱作業時の暑熱ストレスを評価するために使用されている。

乾球・湿球・黒球の三つの温度を組み合わせた指数で、熱中症リスク管理の国際基準となっています。作業現場やスポーツ現場で広く採用されています。

選択肢3. 有効温度は、湿度100%で無風の部屋の気温に等価な環境として表す主観的経験指数である。

体感を「気温換算」で示す古典的指標で、湿度と風速を調整した上で「もし部屋が飽和蒸気・無風なら何度に感じるか」を示します。定義に沿っています。

選択肢4. 標準新有効温度は、気温、湿度、風速、熱放射、着衣量、代謝量の6要素を含んだ温熱環境の指標である。

国際規格でSET*とも呼ばれ、実際に人が感じる温冷感を総合的に評価する指標です。六つの要素を数値化し、空調設計や快適性評価に使います。

選択肢5. 不快指数は、気温に関係なく用いられる指標である。

実際は「DI=0.81×気温+0.01×湿度×(0.99×気温-14.3)+46.3」などの式で計算し、気温が主要因です。よってこの記述が誤りです。

まとめ

温熱環境を評価する指標には、「体感温度系」(有効温度・標準新有効温度)と「熱ストレス系」(WBGT・黒球温度)があります。それぞれ気温・湿度・風速・放射などを組み合わせており、計算式の中に気温が含まれる場合がほとんどです。今回の問題では、不快指数の定義を思い出し、「気温を無視できない」点を押さえれば迷わず選べます。

参考になった数5