建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問69 (空気環境の調整 問69)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問69(空気環境の調整 問69) (訂正依頼・報告はこちら)

冷却塔に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 開放型冷却塔は、密閉型と比べて小型である。
  • 開放型冷却塔内の冷却水は、レジオネラ属菌の繁殖に注意が必要である。
  • 開放型冷却塔は、密閉型冷却塔に比べて送風機動力が増加する。
  • 密閉型冷却塔は、電算室、クリーンルーム系統の冷却塔として使用される。
  • 密閉型冷却塔は、散布水系統の保有水量が少ないため、保有水中の不純物濃度が高くなる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、冷却塔に関するものです。

冷却塔は、冷凍機などの凝縮器から発生する熱を外気に放出するための設備で、

開放型と密閉型に分類されます。

開放型は冷却水が直接外気に触れる構造で、構造がシンプルかつ通風抵抗が小さいのが特徴です。

一方、密閉型は冷却水が配管内を循環し、外気とは間接的に熱交換するため、

構造が複雑で通風抵抗が大きく、送風機動力も増加します。

それぞれの型の特徴を理解しておきましょう。

選択肢1. 開放型冷却塔は、密閉型と比べて小型である。

正しいです。開放型冷却塔は構造がシンプルで、冷却水が直接外気に触れるため、

熱交換効率が高く、同じ冷却能力であれば密閉型よりも小型化が可能です。

密閉型は冷却水が配管内を通り、外部に散布水をかける構造のため、

伝熱面積や設備が大きくなり、装置全体が大型化します。

選択肢2. 開放型冷却塔内の冷却水は、レジオネラ属菌の繁殖に注意が必要である。

正しいです。開放型冷却塔では冷却水が外気に直接触れるため、

微生物の混入や繁殖のリスクが高く、

特にレジオネラ属菌の対策が重要です。

水温や栄養分の条件が揃うと菌が繁殖しやすく、

空気中に飛散することで健康被害を引き起こす可能性があります。

定期的な水質管理や薬剤投入、清掃が不可欠です。

選択肢3. 開放型冷却塔は、密閉型冷却塔に比べて送風機動力が増加する。

誤りです。記述が逆になっています。

開放型冷却塔は、冷却水が直接外気に触れて気化熱で冷却される構造であり、

通風抵抗が小さいため、送風機動力は比較的少なくて済みます。

一方、密閉型冷却塔は冷却水が配管内を循環し、

その外側に散布水をかけて間接的に冷却する構造なので、

通風抵抗が大きく送風機動力も増加します。

選択肢4. 密閉型冷却塔は、電算室、クリーンルーム系統の冷却塔として使用される。

正しいです。密閉型冷却塔は冷却水が外気に触れない構造で、

清浄性が高く水質が安定しているため、

電算室やクリーンルームなど高い衛生環境が求められる用途に適しています。

冷却水が配管内を循環するため、

外部からの汚染リスクが低く、

機器の腐食や詰まりの防止にも有効です。

選択肢5. 密閉型冷却塔は、散布水系統の保有水量が少ないため、保有水中の不純物濃度が高くなる。

正しいです。密閉型冷却塔では、冷却水は配管内を循環し、

外側に散布水をかけて冷却する構造です。

散布水の保有水量が少ないため、蒸発による濃縮が進みやすく、

不純物濃度が高くなる傾向があります。

これによりスケールや腐食のリスクが増すため、

散布水の水質管理が重要になります。

参考になった数4