建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問75 (空気環境の調整 問75)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問75(空気環境の調整 問75) (訂正依頼・報告はこちら)

空気浄化装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 自動巻取型エアフィルタのろ材の更新は、タイマによる方法や圧力損失を検知して行う方法が用いられている。
  • ろ過式粒子用エアフィルタとは、さえぎり、慣性、拡散、静電気等の作用で、粉じんをろ材繊維に捕集するものをいう。
  • 空気中の有害ガスを除去するガス除去用エアフィルタとして、イオン交換繊維を使用したものがある。
  • 一般にHEPAフィルタの圧力損失は、一般空調用フィルタのそれと比較して小さい。
  • 粒子用エアフィルタの性能は、圧力損失、粉じん捕集率、粉じん保持容量で表示される。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「一般にHEPAフィルタの圧力損失は、一般空調用フィルタのそれと比較して小さい。」です。

 

この問題は、空気浄化装置に関するものです。

空気浄化装置は、建築物内の空気環境を清浄に保つために不可欠な設備であり、

粒子状物質や有害ガスの除去を目的とした各種フィルタが使用されます。

フィルタには性能指標として圧力損失、捕集率、保持容量などがあり、

用途に応じて選定されます。

HEPAフィルタは高性能で微粒子を効率よく除去できますが、

一般空調用フィルタよりも圧力損失が大きくなります。

選択肢1. 自動巻取型エアフィルタのろ材の更新は、タイマによる方法や圧力損失を検知して行う方法が用いられている。

正しいです。自動巻取型エアフィルタは、ろ材をロール状に巻き取りながら使用する方式で、

一定期間または一定の圧力損失に達した時点で新しいろ材を供給します。

タイマ制御による定期更新や、差圧センサによる圧力損失検知による自動更新が一般的です。

これにより、フィルタ性能を維持しつつメンテナンスの効率化が図られます。

選択肢2. ろ過式粒子用エアフィルタとは、さえぎり、慣性、拡散、静電気等の作用で、粉じんをろ材繊維に捕集するものをいう。

正しいです。ろ過式粒子用エアフィルタは、空気中の粉じんを物理的にろ材に捕集する方式であり、

捕集原理には「さえぎり(遮断)」「慣性衝突」「拡散(ブラウン運動)」「静電気引力」などがあります。

これらの作用により、粒子が繊維に付着し、清浄な空気を供給することができます。

 

選択肢3. 空気中の有害ガスを除去するガス除去用エアフィルタとして、イオン交換繊維を使用したものがある。

正しいです。ガス除去用エアフィルタは、

空気中の有害ガス(アンモニア、ホルムアルデヒド、硫化水素など)を、

化学的に吸着・分解します。

活性炭や化学吸着剤のほか、イオン交換繊維を用いたフィルタも存在し、

特定のガス成分を選択的に除去することができます。

病院や研究施設、クリーンルームなどで多く採用されています。

選択肢4. 一般にHEPAフィルタの圧力損失は、一般空調用フィルタのそれと比較して小さい。

誤りです。HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)は、

0.3μm程度の微粒子を99.97%以上の高い精度で捕集する高性能フィルタです。

その分、ろ材が密で空気の通過抵抗が大きいので、

圧力損失は一般空調用フィルタよりも大きくなります。

 

選択肢5. 粒子用エアフィルタの性能は、圧力損失、粉じん捕集率、粉じん保持容量で表示される。

正しいです。粒子用エアフィルタの性能評価には、以下の3つの指標が用いられます。

①圧力損失(空気が通過する際の抵抗)、

②粉じん捕集率(どれだけの粒子を除去できるか)、

③粉じん保持容量(どれだけの量の粉じんを蓄積できるか)。

フィルタの選定や交換時期の判断に重要な要素であり、

空調設計や維持管理において重要な指標です。

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