建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問81 (空気環境の調整 問81)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問81(空気環境の調整 問81) (訂正依頼・報告はこちら)

ホルムアルデヒド測定法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 簡易測定法には、検知管法、定電位電解法がある。
  • DNPHカートリッジは、オゾンにより正の妨害を受ける。
  • DNPHカートリッジは、冷蔵で保存する必要がある。
  • パッシブ法は、試料採取に8時間程度を要する。
  • パッシブサンプリング法では、ポンプを使用しない。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は。「DNPHカートリッジは、オゾンにより正の妨害を受ける。」です。

 

この問題は、ホルムアルデヒド測定法に関するものです。

ホルムアルデヒドは室内空気汚染の代表的な化学物質であり、

建材や家具などから揮発するため、正確な測定が重要です。

測定法には簡易法(検知管法、定電位電解法)や、

精密法(DNPHカートリッジ法、パッシブ法)があり、それぞれ特徴が異なります。

DNPH法は高精度ですが、オゾンによる「負の妨害」を受けるため、

オゾン除去フィルタが必要です。

選択肢1. 簡易測定法には、検知管法、定電位電解法がある。

正しいです。ホルムアルデヒドの簡易測定法には、

検知管法と定電位電解法があります。

検知管法は、空気をガラス管に通して化学反応により、

色が変化することで濃度を判定する方法で、

現場での迅速な測定に適しています。

定電位電解法は、電極に一定の電位をかけて、

ルムアルデヒドの酸化反応を電流として検出する方式で、

連続測定にも対応可能です。

いずれも簡易法として広く用いられています。

選択肢2. DNPHカートリッジは、オゾンにより正の妨害を受ける。

不適当です。DNPH(2,4-ジニトロフェニルヒドラジン)カートリッジ法は、

ホルムアルデヒドを高精度で測定する方法であり、

空気中のホルムアルデヒドと反応して誘導体を形成し、分析します。

オゾンはDNPHと反応して分解を促進するため、

ホルムアルデヒドの誘導体生成を阻害し、

測定値が低く出る「負の妨害」を引き起こします。

選択肢3. DNPHカートリッジは、冷蔵で保存する必要がある。

正しいです。DNPHカートリッジは、

ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を捕集するための吸着剤であり、

保存状態によって性能が劣化する可能性があります。

特に高温や湿度の高い環境では反応性が変化し、

測定精度に影響を及ぼすため、

未使用のカートリッジは冷蔵保存が推奨されています。

また、使用後のカートリッジも分析までの間は冷蔵保管が望ましいです。

 

選択肢4. パッシブ法は、試料採取に8時間程度を要する。

正しいです。パッシブ法(拡散式サンプリング法)は、

空気中のホルムアルデヒドを自然拡散によって吸着剤に取り込む方式であり、

ポンプを使用せずに長時間の試料採取が可能です。

一般的には8時間程度の採取時間が必要であり、

時間平均濃度の測定に適しています。

作業環境や室内空気の評価に用いられ、簡便でありながら精度も高いです。

選択肢5. パッシブサンプリング法では、ポンプを使用しない。

正しいです。パッシブサンプリング法は、

空気中のホルムアルデヒドを自然拡散によって吸着剤に取り込む方式であり、

機械的な吸引装置(ポンプ)を使用しないのが特徴です。

これにより、電源が不要で設置が容易となり、長時間の平均濃度測定に適しています。

ポンプを使用するアクティブ法とは異なり、

静的な環境での測定に向いています。

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