建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問83 (空気環境の調整 問83)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問83(空気環境の調整 問83) (訂正依頼・報告はこちら)

空気調和設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 加湿装置は、使用開始時及び使用期間中の1年以内ごとに1回、定期的に汚れの状況を点検し、必要に応じて清掃などを行う。
  • 空調システムを介して引き起こされる微生物汚染問題として、レジオネラ症がある。
  • 空気調和設備のダクト内部は、使用年数の経過につれ清掃を考慮する必要がある。
  • 冷却塔に供給する水は、水道法に規定する水質基準に適合させる必要がある。
  • 冷却水管を含む冷却塔の清掃は、1年以内ごとに1回、定期に行う。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「加湿装置は、使用開始時及び使用期間中の1年以内ごとに1回、

定期的に汚れの状況を点検し、必要に応じて清掃などを行う。」です。

 

この問題は、空気調和設備の維持管理に関するものです。

空気調和設備の維持管理は、快適性・衛生・安全性を保つために不可欠であり、

加湿装置・冷却塔・ダクトなどの定期点検と清掃が求められます。

特に水を扱う装置は微生物汚染のリスクがあるため、

レジオネラ症などの対策が重要です。

加湿装置は「使用開始時および使用期間中の6か月以内ごとに1回」の点検が、

法令で定められています。

選択肢1. 加湿装置は、使用開始時及び使用期間中の1年以内ごとに1回、定期的に汚れの状況を点検し、必要に応じて清掃などを行う。

不適当です。建築物衛生法施行規則では、

加湿装置の点検・清掃は「使用開始時および使用期間中の6か月以内ごとに1回」

行うことが義務付けられています。

加湿装置が微生物の繁殖源となりやすく、

特にレジオネラ属菌などの衛生リスクが高いためです。

選択肢2. 空調システムを介して引き起こされる微生物汚染問題として、レジオネラ症がある。

正しいです。レジオネラ症は、レジオネラ属菌によって引き起こされる感染症であり、

空調設備の冷却塔や加湿装置などの水系設備を介して、空気中に拡散します。

特に水温が20〜50℃の範囲で菌が繁殖しやすく、

適切な清掃・消毒が行われないと感染リスクが高まります。

空調システムの維持管理において、

レジオネラ症対策は重要な衛生管理項目です。

選択肢3. 空気調和設備のダクト内部は、使用年数の経過につれ清掃を考慮する必要がある。

正しいです。ダクト内部には、長期間の使用により粉じん、カビ、微生物などが蓄積し、

室内空気の質を低下させる可能性があります。

特に高湿度環境や汚染源が近い場合は、汚れが顕著になりやすく、

健康被害や臭気の原因となります。

よって、使用年数の経過に応じて清掃の必要性を判断し、

適切なタイミングで、清掃を実施することが望ましいです。

選択肢4. 冷却塔に供給する水は、水道法に規定する水質基準に適合させる必要がある。

正しいです。冷却塔に供給する水は、レジオネラ属菌などの微生物汚染を防ぐため、

衛生的な水質が求められます。

水道法に規定される水質基準は、飲用水としての安全性を確保するものであり、

冷却塔の供給水にも適用されます。

水質が悪いとスライムやスケールの発生や、

腐食、微生物繁殖などの問題が生じるためです。

選択肢5. 冷却水管を含む冷却塔の清掃は、1年以内ごとに1回、定期に行う。

正しいです。建築物衛生法施行規則では、

冷却塔および冷却水管の清掃は「1年以内ごとに1回」定期的に実施することが義務付けられています。

これは、冷却塔がレジオネラ属菌の繁殖源となりやすく、

衛生管理上のリスクが高いためです。

定期的な清掃により、スライムやスケールの除去、

微生物の抑制が可能となり、

空調設備の安全性と効率性が保たれます。

参考になった数5