建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問98 (建築物の構造概論 問99)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問98(建築物の構造概論 問99) (訂正依頼・報告はこちら)

電気及び電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 同一定格の電力では、同一電流値であれば交流のピーク電圧値は、直流に比べて高い。
  • 建築設備に電力を送るケーブルの許容電流値は、配線用遮断器の定格電流値より小さくする。
  • 電動機の起動時に過電流が流れて異常を起こさないために、スターデルタ起動方式が用いられる。
  • 電力は、電圧と電流の積に比例する。
  • 地域マイクログリッドとは、自然エネルギー発電を組み合わせ、地域の電力需要を満足する電力システムである。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「建築設備に電力を送るケーブルの許容電流値は、配線用遮断器の定格電流値より小さくする。」です。

 

この問題は、電気及び電気設備に関するものです。

電気設備の設計・施工・運用においては、安全性・効率性・信頼性が求められます。

電力の基本的な性質(電圧・電流・電力の関係)や、

ケーブルの許容電流値と遮断器の定格電流値の関係は、

安全設計の基本であり、誤った理解は火災や事故の原因となるため、注意が必要です。

選択肢1. 同一定格の電力では、同一電流値であれば交流のピーク電圧値は、直流に比べて高い。

正しいです。交流(AC)は時間とともに電圧が変化する波形であり、

正弦波の場合、ピーク電圧は実効値の約1.4倍です。

一方、直流(DC)は電圧が一定であり、ピーク値=実効値です。

よって、同一電流値・同一電力で比較した場合、交流のピーク電圧は直流より高くなります。

これは、電気機器の絶縁設計や安全対策において重要です。

選択肢2. 建築設備に電力を送るケーブルの許容電流値は、配線用遮断器の定格電流値より小さくする。

不適当です。ケーブルの許容電流値は、遮断器の定格電流値以上です。

遮断器は過電流時に回路を遮断する保護装置であり、

ケーブルが遮断器よりも低い電流しか流せない場合、

遮断器が作動する前にケーブルが過熱・発火する危険が大きいです。

よって、遮断器の定格電流値はケーブルの許容電流値以下に設定して下さい。

選択肢3. 電動機の起動時に過電流が流れて異常を起こさないために、スターデルタ起動方式が用いられる。

正しいです。三相誘導電動機は起動時に定格電流の数倍の過電流が流れるため、

直接起動では設備に負担がかかります。

スターデルタ(Y-Δ)起動方式は、起動時にスター結線で電圧を抑え、

回転が安定した後にデルタ結線へ切り替えることで、起動電流を約1/3に低減できます。

中容量以上の電動機で広く用いられる方式であり、

異常防止に有効です。

選択肢4. 電力は、電圧と電流の積に比例する。

正しいです。電力(W)は、基本的に電圧(V)と電流(A)の積です。

直流では P = V×I で、交流では力率(cosθ)を考慮して P = V×I×\cosθです。

力率が1の場合は直流と同様の比例関係になります。

電力の基本式は、電気設備の設計・運用において最も基本的で重要です。

選択肢5. 地域マイクログリッドとは、自然エネルギー発電を組み合わせ、地域の電力需要を満足する電力システムである。

正しいです。地域マイクログリッドは、太陽光・風力・バイオマスなどの、

自然エネルギーを活用し、地域内で発電・蓄電・消費を完結させる分散型電力システムです。

災害時の自立運転や、電力の地産地消、CO₂削減などのメリットがあります。

スマートグリッド技術と連携することで、効率的かつ持続可能な電力供給が可能です。

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