建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問100 (建築物の構造概論 問101)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問100(建築物の構造概論 問101) (訂正依頼・報告はこちら)

都市ガスとLPガスに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 都市ガスの低位発熱量とは、水蒸気の潜熱を含む場合の発熱量のことである。
  • LPガスは常温・常圧では気体であるが、加圧や冷却により液化して貯蔵・運搬される。
  • 都市ガスの大半は、天然ガスを主原料にしている。
  • 都市ガス及びLPガスは、いずれも臭いがほとんどないガスであるため付臭剤が添加されている。
  • ガスの比重については、13Aの都市ガスは空気より軽く、LPガスは空気より重い。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「都市ガスの低位発熱量とは、水蒸気の潜熱を含む場合の発熱量のことである。」です。

 

この問題は、都市ガスとLPガスに関するものです。

都市ガスとLPガスは、建築物のエネルギー供給において重要な役割を担います。

両者は性質・供給方法・安全対策に違いがあり、

発熱量や比重、臭気対策などの理解が必要です。

ガスの安全利用には、正確な物理的特性の理解が不可欠です。

選択肢1. 都市ガスの低位発熱量とは、水蒸気の潜熱を含む場合の発熱量のことである。

不適当です。低位発熱量(LHV)は、燃焼後に発生する水蒸気の潜熱を含まない発熱量です。

つまり、燃焼によって生じた水蒸気が凝縮せずに、

気体のまま排出されることを前提としています。

一方、高位発熱量(HHV)は水蒸気の潜熱を含む発熱量であり、

より大きな値となります。

選択肢2. LPガスは常温・常圧では気体であるが、加圧や冷却により液化して貯蔵・運搬される。

正しいです。LPガス(液化石油ガス)は、プロパンやブタンを主成分とする、

可燃性ガスで、常温・常圧では気体です。

しかし、加圧または冷却することで容易に液化でするため、

液体状態で容器に貯蔵・運搬が可能です。

液化することで体積が約250分の1に縮小され、効率的な取り扱いが可能になります。

選択肢3. 都市ガスの大半は、天然ガスを主原料にしている。

正しいです。現在の都市ガス(13A)は、メタンを主成分とする天然ガスが主原料です。

かつては石炭ガスやナフサを原料とする製造ガスが使われていましたが、

環境負荷の低減や供給安定性の観点から、天然ガスへの転換が進みました。

天然ガスは燃焼時のCO₂排出量が少なく、クリーンなエネルギーです。

選択肢4. 都市ガス及びLPガスは、いずれも臭いがほとんどないガスであるため付臭剤が添加されている。

正しいです。都市ガスもLPガスも、本来は無臭であるため、

漏洩時の早期発見を目的として、付臭剤(メルカプタン類など)が添加されています。

これにより、ガス漏れ時には特有の臭気が発生し、

利用者が異常を察知しやすくなります。

安全対策として法令でも付臭が義務付けられています。

選択肢5. ガスの比重については、13Aの都市ガスは空気より軽く、LPガスは空気より重い。

正しいです。13A都市ガス(主成分:メタン)は空気より軽く、

漏洩時には上方に拡散する性質があります。

一方、LPガス(主成分:プロパン・ブタン)は空気より重く、漏洩時には低所に滞留します。

これらの性質は、ガス警報器の設置位置や換気設計に大きく影響します。

逆に取り付けると、大惨事のリスクが高まります。

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