建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問101 (建築物の構造概論 問102)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問101(建築物の構造概論 問102) (訂正依頼・報告はこちら)

火災時の排煙対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 自然排煙方式では排煙窓の他に、当該室の下部に給気経路を確保することが望ましい。
  • 排煙設備の給気機の外気取入口は、新鮮な空気を取り入れるため屋上に設置するのが望ましい。
  • 機械排煙方式では、火災室が負圧になり廊下への漏煙を防止できるが、避難扉の開閉障害が生じるおそれがある。
  • 加圧防煙は、階段室への煙の侵入を防止するため階段室付室や廊下に用いられることが多い。
  • 第2種排煙の煙排出量は、排煙窓位置での内外圧力差と排煙窓の有効面積で定まる。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「排煙設備の給気機の外気取入口は、新鮮な空気を取り入れるため屋上に設置するのが望ましい。」です。

 

この問題は、火災時の排煙対策に関するものです。

火災時の排煙対策は、避難安全性の確保と延焼防止に不可欠です。

排煙方式には自然排煙と機械排煙があり、

建築物の構造や用途に応じて適切な方式が選定されます。

給気経路の確保や圧力制御、排煙窓の設置位置などが重要な設計要素です。

 

選択肢1. 自然排煙方式では排煙窓の他に、当該室の下部に給気経路を確保することが望ましい。

正しいです。自然排煙方式では、煙は上昇する性質を利用して、

上部に排煙窓を設けることで排出されます。

排煙を効果的に行うためには、室内下部に給気経路を確保し、外気を導入することが重要です。

これにより、煙の流れが促進され、排煙効率が向上します。

 

選択肢2. 排煙設備の給気機の外気取入口は、新鮮な空気を取り入れるため屋上に設置するのが望ましい。

不適当です。排煙設備の給気機は、火災時に排煙を促進するために、

新鮮な外気を建物内に供給する役割を持ちます。

外気取入口は、地上付近に設置するのが望ましく、屋上設置は避けるべきです。

屋上は火災時に煙が滞留しやすく、外気が汚染される可能性があるためです。

選択肢3. 機械排煙方式では、火災室が負圧になり廊下への漏煙を防止できるが、避難扉の開閉障害が生じるおそれがある。

正しいです。機械排煙方式では、排煙ファンにより火災室を負圧状態に保ち、

煙の拡散を防止します。これにより、廊下や避難経路への漏煙を抑制できますが、

負圧が強すぎると避難扉の開閉が困難になります。

そのため、設計時には圧力バランスや扉の開閉力を考慮しましょう。

選択肢4. 加圧防煙は、階段室への煙の侵入を防止するため階段室付室や廊下に用いられることが多い。

正しいです。加圧防煙方式は、避難経路(階段室など)に外気を送り込み、

内部を正圧に保つことで煙の侵入を防ぐ手法です。

特に高層建築では、階段室やその付室、廊下などに加圧防煙設備が設置されることが多いです。

避難安全性の向上に寄与する重要な技術です。

選択肢5. 第2種排煙の煙排出量は、排煙窓位置での内外圧力差と排煙窓の有効面積で定まる。

正しいです。第2種排煙(自然排煙方式)では、

煙の排出量は、

1、排煙窓の位置における内外の圧力差と、

2、排煙窓の有効面積によって決定します。

圧力差が大きいほど排煙速度が上がり、有効面積が広いほど排煙量が増加します。

排煙設計の基本です。

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