建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問119 (給水及び排水の管理 問120)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問119(給水及び排水の管理 問120) (訂正依頼・報告はこちら)

給湯設備に使用される材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 金属材料の曲げ加工を行うと、応力腐食が生じることがある。
  • 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の最高使用許容圧力は、使用温度が高くなると低下する。
  • 樹脂管を温度の高い湯に使用すると、塩素による劣化が生じやすい。
  • ステンレス鋼管は、酸化被膜による母材の不動態化によって耐食性が保持される。
  • ポリブテン管の線膨張係数は、銅管と比較して小さい。

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この過去問の解説 (1件)

01

不適当なのは「ポリブテン管の線膨張係数は、銅管と比較して小さい。」です。
樹脂は金属より温度で伸び縮みしやすいため、ポリブテン管の線膨張係数は銅管より大きいのが一般的です。したがって「小さい」は逆の説明になります。

選択肢1. 金属材料の曲げ加工を行うと、応力腐食が生じることがある。

加工で残留応力が生まれると、材料や環境によっては応力腐食割れの危険が高まります。曲げや冷間加工後は焼なまし仕上げ処理で対策することがあります。

選択肢2. 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の最高使用許容圧力は、使用温度が高くなると低下する。

樹脂は温度が上がると強度が下がるため、許容圧力は下がります。カタログにも温度別の圧力低減係数が示されます。

選択肢3. 樹脂管を温度の高い湯に使用すると、塩素による劣化が生じやすい。

給湯水に含まれる残留塩素は、温度が高いほど酸化劣化を進めやすいです。PEXやPBなどは温度・濃度・時間の条件で劣化が加速するため、温度上限の遵守が大切です。

選択肢4. ステンレス鋼管は、酸化被膜による母材の不動態化によって耐食性が保持される。

ステンレスは表面に緻密な不動態皮膜(主にCr₂O₃)を作り、これが自己修復しながら耐食性を保ちます。基本的な性質の説明です。

選択肢5. ポリブテン管の線膨張係数は、銅管と比較して小さい。

誤りです。樹脂の方が熱で伸びやすいため、ポリブテン管の線膨張係数は銅管より大きいです。配管設計では、スライド支持や伸縮余裕を持たせて対応します。

まとめ

押さえるポイントは次のとおりです。

樹脂配管は温度で伸びやすく、強度も下がりやすい(許容圧力は温度上昇で低下、線膨張は大きい)。

金属は残留応力が腐食トラブルの誘因になることがある。

ステンレスは不動態皮膜で耐食性を確保する。
この性質を踏まえると、ポリブテン管の線膨張係数が銅より小さいという説明だけが成り立ちません。

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