建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問65 (空気環境の調整 問65)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問65(空気環境の調整 問65) (訂正依頼・報告はこちら)

デシカント空調方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 除湿量は、再生空気の相対湿度の影響が大きい。
  • 放射冷暖房システムの結露対策としても用いられる。
  • 除湿において、デシカントロータ通過前後で外気の乾球温度は低下する。
  • 2ロータ方式において、再生熱交換器は排気側に設置される。
  • 潜熱と顕熱を分離して制御できる空調システムである。

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この過去問の解説 (1件)

01

「除湿において、デシカントロータ通過前後で外気の乾球温度は低下する。」が不適当です。
デシカントは水分を吸着する際に発熱します。そのため、ロータを通過した空気は乾燥(湿度低下)すると同時に温度は上昇します。低下ではありません。

選択肢1. 除湿量は、再生空気の相対湿度の影響が大きい。

適当です。 再生空気が乾いているほどデシカント材がしっかり再生され、次の吸着能力(除湿量)が増えます。再生空気の湿りは能力に直結します。

選択肢2. 放射冷暖房システムの結露対策としても用いられる。

適当です。 放射冷房は表面温度が下がるため、湿度が高いと結露しやすくなります。デシカントで潜熱(湿気)を抜くと、露点が下がり結露予防に役立ちます。

選択肢3. 除湿において、デシカントロータ通過前後で外気の乾球温度は低下する。

不適当です。 吸着は発熱反応のため、通過後の空気は乾燥して温度が上がります。温度低下とするのは誤りです。

選択肢4. 2ロータ方式において、再生熱交換器は排気側に設置される。

適当です。 再生側では、排気(高温・高湿)と新たに取り入れる再生空気の間で熱回収を行います。再生熱交換器を排気側系統に置いて前後で熱をやり取りし、再生エネルギーを節約します。

選択肢5. 潜熱と顕熱を分離して制御できる空調システムである。

適当です。 デシカントで潜熱(湿気)を、別系統(コイルや外調機など)で顕熱(温度)を分離制御できます。これがデシカント方式の大きな特長です。

まとめ

デシカント方式の要点は、

吸着=発熱で、通過空気は乾燥+温度上昇

再生空気の乾き具合除湿能力を左右。

潜熱(湿気)と顕熱(温度)の分離制御ができ、放射冷房の結露対策にも有効。

この性質から、温度が低下するとした記述が不適当だと判断できます。

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