建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問75 (空気環境の調整 問75)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問75(空気環境の調整 問75) (訂正依頼・報告はこちら)

空気浄化装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 自動巻取型エアフィルタは、ろ材の更新が自動的に行えるような構造としたものである。
  • ULPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対する粒子捕集率で規定されている。
  • ろ過式フィルタの捕集原理には、遮りによる付着、慣性衝突、拡散による付着がある。
  • ガス除去用エアフィルタのガス除去容量は、ガス除去率が初期値の85%に低下するまでに捕集したガス質量で表される。
  • パネル型エアフィルタは、外気用又はプレフィルタとして用いられる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

ULPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対する粒子捕集率で規定されている。
これは不適当です。ULPAは最も捕集しにくい粒径(MPPS)で規定されるのが基本で、一般に0.1〜0.2μm付近のMPPSで性能評価を行います。0.3μm固定ではありません

選択肢1. 自動巻取型エアフィルタは、ろ材の更新が自動的に行えるような構造としたものである。

適当です。 ロール状のろ材を自動で送り出して更新できるため、塵埃が多い場所でも保守の手間を減らせる方式です。

選択肢2. ULPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対する粒子捕集率で規定されている。

不適当です。 ULPAはMPPS(最難捕集粒径)で規定します。0.3μmはHEPA評価で使われる代表値であり、ULPAを0.3μmで一律規定するのは誤りです。

選択肢3. ろ過式フィルタの捕集原理には、遮りによる付着、慣性衝突、拡散による付着がある。

適当です。 繊維ろ材では遮蔽(捕捉)・慣性衝突・拡散が主要メカニズムです(粒径により効き方が変わります)。

選択肢4. ガス除去用エアフィルタのガス除去容量は、ガス除去率が初期値の85%に低下するまでに捕集したガス質量で表される。

適当です。 ガス状汚染物質は吸着容量で評価し、所定の除去率低下点(例:初期の85%まで低下)に達するまでに捕集した質量を容量として扱います(ブレークスルー基準を定めて評価します)。

選択肢5. パネル型エアフィルタは、外気用又はプレフィルタとして用いられる。

適当です。 パネル型は外気導入部や前段の粗じん除去(プレ)に広く使われます。後段の高性能フィルタの延命にも役立ちます。

まとめ

空気浄化装置の要点は、

粒子状用(HEPA/ULPA)はMPPSで評価されること、

ガス除去は所定基準までの吸着量(容量)で評価すること、

用途に応じた形式(パネル型・自動巻取型など)を選ぶこと、です。
本問はULPAを0.3μmで規定としている点が誤りでした。

参考になった数0