建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問77 (空気環境の調整 問77)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問77(空気環境の調整 問77) (訂正依頼・報告はこちら)

空気調和設備の配管とポンプに関する語句の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
  • 伸縮継手 ――――――― 温度変化による配管応力の吸収
  • キャビテーション ――― 吐出量の低下
  • サージング ―――――― 有効吸込みヘッド(NPSH)
  • 配管系の抵抗曲線 ――― 全揚程
  • 水撃作用 ――――――― 衝撃音の発生

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この過去問の解説 (1件)

01

サージング――――――有効吸込みヘッド(NPSH)が不適当です。
サージングは、主に遠心圧縮機や送風機などで流量と圧力が周期的に揺れる不安定現象です。関連が深いのは系統抵抗や運転点で、NPSH(有効吸込みヘッド)は主にキャビテーションの指標です。よって組合せが合いません。

選択肢1. 伸縮継手 ――――――― 温度変化による配管応力の吸収

適当です。 配管は温度変化で伸び縮みします。伸縮継手はその伸びを吸収して応力や歪みを抑えるために使います。

選択肢2. キャビテーション ――― 吐出量の低下

適当です。 ポンプ入口で圧力が低下して液が部分的に沸騰すると、羽根車で気泡が壊れて振動・騒音・性能低下(吐出量低下)を起こします。進行すると損傷も生じます。

選択肢3. サージング ―――――― 有効吸込みヘッド(NPSH)

不適当です。 サージング系統曲線と装置特性の組合せが原因で起きる圧力・流量の脈動です。NPSHはキャビテーションの可否を見る指標で、サージングの直接指標ではありません。

選択肢4. 配管系の抵抗曲線 ――― 全揚程

適当です。 配管系の抵抗曲線は、流量に応じて必要な全揚程(ヘッド)がどれだけ増えるかを示す関係(例:H=H静+KQ²)です。ポンプ特性曲線との交点が運転点になります。

選択肢5. 水撃作用 ――――――― 衝撃音の発生

適当です。 水撃作用(ウォーターハンマー)は弁の急閉などで圧力が急上昇し、配管の振動や大きな打音(衝撃音)が発生します。対策にエアチャンバーや徐閉弁などを用います。

まとめ

配管・ポンプまわりのキーワードは次の対応が基本です。

伸縮継手→熱伸び吸収キャビテーション→NPSH・性能低下サージング→系統抵抗と運転点の不安定抵抗曲線→必要全揚程水撃→圧力急変と騒音
この整理から、サージングとNPSHの組合せだけがずれていると判断できます。

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