建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問155 (清掃 問155)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問155(清掃 問155) (訂正依頼・報告はこちら)

硬性床材の特徴に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
  • 大理石は、耐アルカリ性に優れる。
  • テラゾは、耐酸性に優れる。
  • セラミックタイルは、低吸水性に優れる。
  • 花崗(こう)岩は、耐熱性に優れる。
  • コンクリートは、耐酸性に優れる。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「セラミックタイルは、低吸水性に優れる。」です。

 

この問題は、床材の材質特性に関するものです。

ビル管理士は、床材の特性を踏まえた清掃方法や薬剤選定を行い、

美観と衛生を維持する必要があります。

材質の理解不足は、表面損傷や衛生悪化につながるため、

正しい知識に基づく実務判断が求められます。

選択肢1. 大理石は、耐アルカリ性に優れる。

誤りです。大理石は炭酸カルシウムを主成分とするため、

酸やアルカリに弱い性質を持ちます。

酸性洗剤やアルカリ洗剤の使用は化学反応を起こし、

表面が白濁したり腐食したりする可能性が高いです。

そのため、洗浄には中性洗剤の使用を推奨します。

ホテルのロビー床に大理石にアルカリ性洗剤で清掃したところ、

表面が白濁し艶が失われました。以後、中性洗剤に切り替えています。

 

 

 

選択肢2. テラゾは、耐酸性に優れる。

誤りです。テラゾ(テラゾー)は人造大理石とも呼ばれ、

セメントや樹脂と骨材を混ぜて作らます。

セメント系テラゾは酸に弱く、酸性洗剤の使用によって表面が傷みます。

近年では樹脂系の製品もありますが、耐酸性に特に優れているわけではありません。

商業施設の通路にセメント系テラゾを施工。酸性洗剤で清掃した結果、

表面がざらつき、光沢が失われたケースもあります。

 

 

選択肢3. セラミックタイルは、低吸水性に優れる。

正しいです。セラミックタイルは高温で焼成されることにより、

緻密で水を通しにくい構造になります。

特に磁器質タイルは吸水率0.5%以下のものもあり、

耐水性・耐凍害性に優れるため、屋外や水回りの床材として広く使用されています。

公共トイレの床に磁器質セラミックタイルを採用して。吸水率0.5%以下の仕様により、

水濡れや汚れの浸透がなく、清掃性と耐久性が高いと評価されました。

屋外の歩道やプールサイドにも使用されます。

選択肢4. 花崗(こう)岩は、耐熱性に優れる。

誤りです。花崗岩は火成岩で、比較的耐熱性に優れていますが、

特筆するほどではないため、床材選定において耐熱性を主要な評価軸にはなりません。

レストランの厨房床に花崗岩を使用して。高温の鍋を直置きしても変形はありませんでしたが、

油染みが残りやすく、耐熱性よりも耐汚染性が課題となりました。

 

 

選択肢5. コンクリートは、耐酸性に優れる。

誤りです。コンクリートはアルカリ性であり、酸に非常に弱いです。

酸性雨や酸性物質が表面に作用すると劣化が進行し、

中性化や鉄筋腐食の原因になります。

耐酸性が必要な場所では、

表面に酸に強いコーティングを施すなどの対策が必要となります。

工場の床にコンクリートを使用したところ。酸性薬品がこぼれたことで表面が中性化し、

鉄筋腐食が進行し。耐酸性塗料による補修が必要となった事例があります。

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