二級ボイラー技士の過去問
令和2年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問7
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問題
二級ボイラー技士試験 令和2年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラーの吹出し装置について、誤っているものは次のうちどれか。
- 吹出し弁には、スラッジなどによる故障を避けるため、玉形弁又はアングル弁が用いられる。
- 最高使用圧力1MPa未満のボイラーでは、吹出し弁の代わりに吹出しコックが用いられることが多い。
- 大形のボイラー及び高圧のボイラーには、2個の吹出し弁を直列に設け、第一吹出し弁に急開弁、第二吹出し弁に漸開弁を取り付ける。
- 連続運転するボイラーでは、ボイラー水の不純物濃度を一定に保つため、連続吹出し装置が用いられる。
- 連続吹出し装置の吹出し管は、胴や蒸気ドラムの水面近くに取り付ける。
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この過去問の解説 (3件)
01
設問は、ボイラの吹出し装置について問われています。
以下に、選択肢ごとに説明します。
1.吹出し弁には、スラッジなどによる故障を避けるため、仕切(ゲート)弁又はボール弁が用いられます。
玉形(グローブ)弁は、内部構造がやや複雑で、スラッジなどが詰まりやすいため、吹出し弁に不向きです。
2.最高使用圧力1MPa未満のボイラでは、吹出し弁の代わりに吹出しコックが用いられることが多いです。
コック(主にボール弁)の利点は、すばやく開閉できることです。
3.大形のボイラ及び高圧のボイラには、2個の吹出し弁を直列に設け、第一吹出し弁を急開弁、第二吹出し弁を漸開弁と呼称します。
吹出し操作としては、まず急開弁を開放し、その後漸開弁を徐々に開放します。
吹出し停止操作をする場合は、逆操作となります。
4.連続運転するボイラでは、ボイラ水の不純物濃度を一定に保つため、連続吹出し装置が用いられます。
5.連続吹出し装置の吹出し管は、胴や蒸気ドラムの水面近くに取り付けます。
水面近くでは蒸気が発生するため、ボイラ水が最も濃縮され、不純物濃度が濃くなるためです。
以上の説明により、選択肢1が誤っていることがわかります。
正答は「1」です。
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02
正解は、 1 です。
1.誤った記述です。
吹き出し弁は、不純物などによる詰まりを避ける為、玉型弁(グローブバルブ)は避け、仕切弁(ゲートバルブ)又は、 Y 型弁を用います。 よって問題文の記述は誤りです。
2.正しい記述です。
問題文のとおりです。
3.正しい記述です。
大型や高圧ボイラーには、吹き出し弁を2個用います。ボイラー本体に近い方の弁を『急開弁』と言います。その後に続く弁を『漸開弁』(ぜんかいべん)と言います。
開ける時は、急開弁⇒漸開弁、閉める時は、漸開弁⇒急開弁の順序で操作を行ないます。
4.正しい記述です。
吹き出し(ブロー)には、2種類あります。手動で停止時に行う『缶底間欠ブロー』と自動で運転中に行う『自動連続ブロー』です。
缶底間欠ブローは、ボイラーの缶底に溜まるスケールやスラッジの排出を目的としています。缶底間欠ブローは、急開弁、漸開弁を用いて手動で行います。
自動連続ブローは、適正水質(電導度、pH等)を保つ事を目的としています。連続ブローは、ボイラーの水面付近から水質を計測しながら自動でブローを行います。
5.正しい記述です。
問題文のとおりです。
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03
正解は1です。
1. 誤り。玉形弁は弁の中の流路がS字形、アングル弁は流路が直角となっているので、スラッジが詰まりやすいです。
通常吹き出し弁には、流路が直線状である仕切弁やY形弁が使用されます。
2. 正しい。最高使用圧力1MPa未満のボイラーでは、吹出し弁ではなく、操作性の良い吹出しコックが用いられることが多いです。
3. 正しい。大形のボイラー及び高圧のボイラーには、2個の吹出し弁を直列に設け、第一吹出し弁(ボイラーに近い方)に急開弁、第二吹出し弁(ボイラーに遠い方)に漸開弁を取り付けます。
逆に取り付ける記述の正誤問題も頻出です。
4. 正しい。記述の通りです。吹出しせず長時間運転すると、ボイラー水の不純物濃度が上昇し、トラブルの原因となります。
5. 正しい。水面近くは蒸発により、不純物の濃度が最も高くなるため、連続吹出し装置の吹出し管は、胴や蒸気ドラムの水面近くに取り付けます。
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