二級ボイラー技士の過去問
令和3年4月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問30

正解は、　５　です。

１．正しい記述です。

押込通風の利点としては、所要動力が小さい事があげられます。しかし、炉内が大気圧よりプラス圧になる為、炉の気密性に注意を払う必要があります。

２．正しい記述です。

炉内が大気圧以上の圧力となり炉内に漏れこむ空気がないので、ボイラー効率は向上します。

３．正しい記述です。

誘引通風とは燃焼後の空気を吸い込む通風方式の事を言います。炉内は大気圧に対してマイナス圧になります。安全である反面、通風機が大型化し、動力も大きくなります。

４．正しい記述です。

平衡通風とは、押込通風機と、誘引通風機の2台を配置する通風方式です。炉内圧は大気圧よりわずかに低く（マイナス圧に）保たれます。

５．誤った記述です。

平衡通風は、大気圧よりマイナス圧の為、外部への燃焼ガスの漏れ出しは無いです。

そして、動力は、平衡通風では２台の通風機を要しますが、これは誘引通風方式より少ない方式です。

正解は、５です。

１．正しいです。

押込通風では、ファンで圧力をかけて炉内に空気を押し込むので、炉内は大気圧より高い圧力になります。

２．正しいです。

押込通風では、ファンで燃焼用空気の流れを炉内に作りだすので、燃料噴霧流と混合しやすくなります。

３．正しいです。

炉内の燃焼ガスをファンで誘引し煙突に放出するため、ガスの漏れはほとんどないです。

４．正しいです。

問題文のとおりです。

他方で、誘引通風では、ガスの誘引によって炉内は減圧されるので、大気圧より低くなります。

押込通風では、空気を押し込むため、炉内圧は大気圧より高くなります。

５．誤りです。

一番動力を必要とするのは、誘引通風になります。誘引通風の場合、高温で体積の大きい燃焼ガスを取り扱うので、大型のファンを要し、所要動力も大きくなります。

平衡通風の場合、押込ファンがサポートになるので、誘引通風より小型のファンですみ、トータルの所要動力は小さくなります。

【正解】誤りは、５番です。

☛正解文として過去に出題はありませんが、「平衡通風は、通風抵抗の大きなボイラーでも強い通風力が得られ、必要な動力は押込通風より大きく、誘引通風より小さい。」などが考えられます。

【出題頻度】

☛平成27年4月公表～令和2年10月公表までで、6回です。

【過去問からの引用】★多数出題されています。

☛通風とは？

「炉及び煙道を通して起こる空気及び燃焼ガスの流れを、通風という。」

☛ファンを使った人工通風：

・「平衡通風は、押込ファンと誘引ファンを併用したもので、通風抵抗の大きなボイラーでも強い通風力が得られる。」

・「平衡通風は、燃焼調節が容易で、通風抵抗の大きなボイラーでも強い通風力が得られる。」

・「押込通風は、一般に、常温の空気を取り扱い、所要動力が小さいので広く用いられている。」

・「誘引通風は、燃焼ガス中に、すす、ダスト及び腐食性物質を含むことが多く、かつ、燃焼ガスが高温のためファンの腐食や摩耗が起こりやすい。」

・「誘引通風は、比較的高温で体積の大きな燃焼ガスを取り扱うので、大型のファンを必要とする。」

☛人工通風に使用される各種ファンの特徴；

・「ラジアル形ファンは、中央の回転軸から放射状に6～12枚の羽根を設けたものである。」

・「ラジアル形ファンは、形状が簡単で羽根の取替えが容易である。」

・「多翼形ファンは、羽根車の外周近くに、短く幅長で前向きの羽根を多数設けたものである。」

・「後向き形ファンは、高温・高圧及び大容量のボイラーに適する。」

☛ファンを使わない自然通風：

・「煙突によって生じる自然通風力は、煙突内のガス温度が高いほど強くなる。」

・「煙突によって生じる自然通風力は、煙突内のガスの密度と外気の密度との差に煙突高さを乗じることにより求められる。」