賃貸不動産経営管理士の過去問
平成27年度(2015年)
問9

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この過去問の解説 (3件)

01

1.第三者である賃貸物件訪問者とは直接的な契約関係はなく、管理受託契約の違反に基づく損害賠償義務は負いません。

2.管理受託契約が終了するケースは、①委任者または受任者の死亡、②委任者または受任者が破産手続き開始の決定を受けたこと、③受任者が後見開始の審判を受けたこととなります。これは管理受託契約は民法上の準委任契約と解されていることによります。

3.委任者の後見開始の審判は委任契約の終了事由とはならず、管理受託契約は終了しません。

4.管理業者へ善管注意義務を課すことは借主に不利益は生じないため、特約として有効になります。

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02

1 . 誤り。
管理受託契約違反に基づくものではありません。但し、民法上の不法行為責任に基づいて損害賠償請求をされる可能性はあります。

2 . 正しい。
管理業者が破産手続き開始の決定を開始すれば、管理受託契約は終了します。
他人の財産管理をしている場合ではなくなる為です。

3 . 誤り。
「委託者」の部分が誤り。
「受託者」つまり賃貸住宅管理業者が後見開始の審判を受けた場合に終了します。

4 . 誤り。
受託者である管理業者の負う義務を加重する特約は有効です。
これに対し、委託者である貸主が一方的に不利になるような特約は無効とされています。

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03

 本問は、不動産所有者と管理業者との間で締結される管理受託契約に関する規律を問う問題です。

 契約が不動産所有者と管理業者の間で締結される以上、その不履行の場合に債務不履行責任を負うのは契約当事者ということになります。また、管理受託契約の法的性質は民法上の委任契約ですから、委任契約に関する民法の規律に従うこととなります。

肢1 正しいとはいえない

 契約関係にたたない第三者が管理懈怠によって損害を被った場合、契約関係がない以上、不法行為責任はともかくとして、債務不履行責任を追及することはできません。

肢2 正しい

 管理受託契約の法的性質は民法上の委任契約ですから、契約の終了についても民法の規律に従います。そして、委任契約は契約当事者の死亡・破産及び受任者の後見開始によって終了します(民法第653条)。

 管理業者は受任者として委任契約当事者の立場に立ちますから、その破産によって管理受託契約は終了します。

肢3 正しいとはいえない

 委任契約は、受任者の後見開始によって終了しますが(民法第653条第3号)、委任者の後見開始によっては終了しません。

肢4 正しいとはいえない

 委任契約において、受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負います(いわゆる善管注意義務)。善管注意義務とは、取引通念上一般に要求される注意義務をいいますが、当事者間の特約により義務の程度を加重することは可能です。

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