賃貸不動産経営管理士の過去問
平成28年度(2016年)
問21

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問題

賃貸不動産経営管理士試験 平成28年度(2016年) 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

敷金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 敷金契約は、賃貸借契約に付随する契約であるから、敷金契約のみを合意解除することはできない。
  • 敷金は、賃貸借契約上の債務を担保するための金銭であるから、賃貸借契約の締結後に預け入れることはできない。
  • 敷金返還請求権は、賃貸借契約が終了し、借主が建物を明け渡したときに発生するから、貸主は、借主が建物を明け渡すまでの間に、末払賃料に敷金を充当することはできない。
  • 借主の債権者が、賃貸借契約の継続中に敷金返還請求権を差し押さえた場合、借主が建物を明け渡したときに賃料の末払がある場合には、貸主は敷金から末払賃料額を控除した後の残額の敷金を差押債権者に支払えば足りる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解(適切なもの)は4です。

1 誤り。
公式テキスト第5編賃貸借契約.第4章賃料・敷金等の一時金.Ⅱ敷金.1敷金の意義に記載されています。これによれば、敷金を預託する合意は、賃貸借契約とは別個の契約に基づく要物契約であるため、賃貸借契約の締結により当然に敷金預託の合意がなされるわけではない。賃貸借契約とは別個の契約であるため、敷金契約のみを合意解除することも可能である。したがって、選択肢は誤りです。

2 誤り。
公式テキスト第5編賃貸借契約.第4章賃料・敷金等の一時金.Ⅱ敷金.1敷金の意義に記載されています。これによれば、敷金は、賃貸借契約締結と同時または締結前に預け入れることが一般的であるが、賃貸借契約締結後に支払う旨の合意も有効である、とされています。したがって、選択肢は誤りです。

3 誤り。
公式テキスト第5編賃貸借契約.第4章賃料・敷金等の一時金.Ⅱ敷金.5敷金の返還と充当に記載されています。これによれば、貸主は、敷金の預託を受けた後、賃貸不動産の明渡しを受けるまでの間、賃料不払い等の事由が発生すれば、いつでも任意に敷金を充当することができる、とされています。したがって、選択肢は誤りです。

4 正しい。
公式テキスト第5編賃貸借契約.第4章賃料・敷金等の一時金.Ⅱ敷金.6敷金返還請求権の譲渡・質入れ・差押えに記載されています。これによれば、借主の賃貸不動産の明渡完了時に、敷金により担保される債務を借主が貸主に対して負担していれば、この債務は敷金から当然に充当される。その結果、貸主は、債務控除後の残額を差押債権者に支払えば足りることとなる、とされています。したがって、選択肢は正しいです。

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02

正解は4です。

1 .不適切です。
敷金契約は、賃貸借契約に付随する契約ではありますが、賃貸借契約の締結によって当然に敷金契約が成立するものではありません。すなわち、賃貸借契約とは別個の独立した契約です。そのため、敷金契約のみを合意解除することもできます。

2 .不適切です。
敷金は、賃貸借契約上の債務を担保するための金銭ではありますが、賃貸借契約の締結後に預け入れる旨の合意も有効です。

3 .不適切です。
貸主は、敷金の預託を受けた後、賃貸不動産の明渡しを受けるまでの間、賃料不払い等の事由が発生すれば、いつでも任意に敷金を充当することができます。

4 .適切です。
借主の賃貸不動産の明渡完了時に、敷金により担保される債務を借主が貸主に対して負担していれば、この債務は敷金から当然に充当されます。その結果、貸主は、債務の控除後の残額を差押債権者に支払えば足りることになります。

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03

正解 4

肢1 不適切

判例によれば、敷金を預け入れるという契約は、賃貸借契約とは別個の契約であるため、敷金契約のみを合意解除することも可能であるとされています。

肢2 不適切

敷金は賃貸借契約と同時、または締結前に預け入れられることが一般的ですが、賃貸借契約締結後に預け入れる旨の合意も有効です。

肢3 不適切

借主の敷金返還請求権は建物の明け渡し時まで発生しませんが、貸主は契約期間中であってもいつでも未払賃料などに敷金を充当することは可能です。

肢4 適切

借主の債権者が、賃貸借契約の継続中に敷金返還請求権を差し押さえた場合、借主が建物を明け渡したときに賃料の末払がある場合に貸主は敷金から末払賃料額を控除した後の残額の敷金を差押債権者に支払えば足りるとされています。

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