賃貸不動産経営管理士の過去問
平成30年度(2018年)
問8

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1、 不適切です。
管理受託契約は、委任(準委任)契約にあたります。
委任の報酬は特約がなければ後払いが原則です。(民法648条2)

2、 不適切です。
民法では委任は特約がなければ無償で行います。(民法648条1)
これを前提に委託者、受託者の気持ちを考えると、委任契約は委任者、受託者の信頼関係が第一と思われます。「委託者の相続人」と「受託者」(逆も同じ)の間に信頼関係まで承継出来るのか?という解釈があるのだと思います。
したがって民法上は 管理受託契約は委託者または受託者が死亡した場合に終了します。(民法653条)とされています。

3、 不適切です。
委託者は、受託者を信頼して委託しているので、勝手に第三者に委託してはいけません。
受託者である管理業者が、第三者に再委託する場合には、委託者の承諾が必要になります。
(民法644条の2)

4、 適切です。
「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」(民法643条)にあたり、
「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」(民法632条)
管理受託契約は委任にあたるので、仕事の完成が目的とはなりません。

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02

 貸主と管理業者の間で締結される管理受託契約は、民法上の委任契約に該当します。それゆえ、本問は直接には管理受託契約について問う問題ではありますが、実際には民法上の委任契約について問われていることに気付けるかがポイントとなります。

肢1 適切とはいえない
 管理受託契約は民法上の委任契約に該当するところ、委任契約においては、報酬の支払いは原則として後払いと規定されています(民法648条2項)。

肢2 適切とはいえない
 管理受託契約は民法上の委任契約に該当するところ、委任契約においては、委任者の死亡・破産、受任者の死亡・破産・後見開始が契約終了事由となっています(民法653条)。

肢3 適切とはいえない
 管理受託契約は民法上の委任契約に該当するところ、委任契約においては、委任者との信頼関係を基礎として受任者が選ばれるのが通常です。それゆえ、再委任は原則として認められず、委任者の承諾がある場合に例外として許容されるにとどまります。

肢4 適切
 管理受託契約は民法上の委任契約に該当するところ、委任契約においては、請負契約とは異なり、仕事の完成は契約内容とはなっていません(民法632条・643条)。つまり、受任者は委任者との関係で善良なる管理者としての注意義務を負いつつ、委任者の利益のために最善を尽くしていれば、たとえ望んでいた結果が生じなかったとしても、受任者としての債務は履行したことになります。

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03

適切なものは『管理受託契約は、請負と異なり、仕事の完成は目的となっていない。』です。

選択肢1. 賃料等の受領に係る事務を目的とする管理受託契約においては、履行期に関する特約がない場合、受託業務の履行と報酬の支払とが同時履行の関係にある。

不適切。

賃料等の受領に係る事務を目的とする管理受託契約は、法律上委任契約に該当します。

履行期に関する特約がない場合、報酬の支払いは後払となります。

選択肢2. 委託者が死亡した場合、管理受託契約に特約がなくとも、相続人が管理受託契約の委託者となり、管理受託契約は終了しない。

不適切。

委託者(委任者)が死亡した場合、相続人に承継させる特約がなければ、管理受託契約は当然に終了します。

選択肢3. 受託者たる管理業者は、委託者の承諾を得ずとも、必要があれば管理業務を再委託することができる。

不適切。

受託者たる管理業者は、委託者の承諾を得なければ、管理業務を再委託することができません。

選択肢4. 管理受託契約は、請負と異なり、仕事の完成は目的となっていない。

適切。

管理受託契約は、委任契約に該当するので、仕事の完成は目的となっていません。

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