賃貸不動産経営管理士の過去問
平成30年度(2018年)
問9
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 平成30年度(2018年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
管理業者がサブリース方式により賃貸管理を行う場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- サブリース方式による管理の場合、管理業者は原賃貸人の代理人の立場で賃貸物件を借り受けている。
- 転借人が転貸借契約の終了により賃貸物件を明け渡した場合、原賃貸人と管理業者は、転借人に対して、連帯して敷金返還債務を負う。
- 原賃貸借契約が管理業者の債務不履行により解除された場合、原賃貸人が転借人に対して明渡しを請求したとき、転貸借契約も終了する。
- 原賃貸借契約が合意解約された場合、原賃貸人が転借人に対して明渡しを請求したとき、転貸借契約も終了する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1、 誤りです。
サブリース方式の管理とは、管理業者(サブリース業者)は、原賃貸人との間で原賃貸借契約を結んで借りた物件を、『自ら貸主』として転貸することによって管理する方式です。したがって、原賃貸人の代理人の立場で賃貸物件を借り受けているわけではありません。
2、 誤りです。
敷金を返還する義務があるのは、賃貸物件の契約における貸主です。転借人と転貸借契約を結んでいる貸主は管理業者です。敷金返還義務があるのは管理業者となります。原賃貸人に敷金返還債務はありません。
3、 正しいです。
原賃貸借契約が債務不履行により解除された場合は、原賃貸人が転借人に賃貸物件の『明渡を請求したとき』に転貸借契約も終了します。(判例)また、6ヶ月の期間経過も必要とされていません。
4、 誤りです。
合意解約された場合『明渡しを請求したとき』には、転貸借契約は終了しません。
【借地借家法34条】
建物の転貸借がされている場合において、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときは、建物の賃貸人は、建物の転借人にその旨の通知をしなければ、その終了を建物の転借人に対抗することができない。
2建物の賃貸人が前項の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から六月を経過することによって終了する。
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02
肢1 正しいとはいえない
管理業者は、あくまでも独立の契約当事者として転借人との間で転貸借契約を締結するのであり、原賃貸人の代理人の立場にたつわけではありません。
肢2 正しいとはいえない
賃借人が賃貸目的物を賃貸人に返還した場合、その時点までの賃借人の債務を控除してもなお残額があることを条件として、その残額につき賃貸人に対する敷金返還請求権が発生します。そして、サブリース業者と転借人の間の転貸借契約も賃貸借契約の規律に従いますから、敷金返還請求権の相手方はサブリース業者となります。
肢3 正しい
原賃貸借契約が管理業者の債務不履行を理由として解除された場合、原賃貸人が転貸借契約の基礎となる原賃貸借契約の終了を理由として転借人に対して明渡しを請求した時に、転貸人の転借人に対する債務は社会通念上履行不能となると解されています。
肢4 正しいとはいえない
原賃貸借契約が終了したという点では肢3と同様ですが、肢3ではサブリース業者の債務不履行を理由として解除されているのに対して、本肢では合意解除によって終了しています。そして、原賃貸借契約の当事者同士が、転貸借契約の基礎となる原賃貸借契約を合意により終了させて転借人に対して明渡しを求めることはできません(民法613条3項)。なぜなら、これが認められれば、合意に関与していない転借人の地位が著しく不安定となるからです。
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03
正しいものは『原賃貸借契約が管理業者の債務不履行により解除された場合、原賃貸人が転借人に対して明渡しを請求したとき、転貸借契約も終了する。』です。
誤り。
サブリース方式による管理の場合、管理業者は原賃貸人の代理人の立場で賃貸物件を借り受けているのではなく、自ら貸主として転借人(入居者)と転貸借契約(サブリース)を締結します。
誤り。
転借人が転貸借契約の終了により賃貸物件を明け渡した場合、転貸借契約の貸主である管理業者が転借人に対して敷金返還債務を負います。
原賃貸人に敷金返還債務はありません。
正しい。
原賃貸借契約が管理業者の債務不履行により解除された場合、原賃貸人が転借人に対して明渡しを請求したとき、転貸借契約も終了します。
誤り。
原賃貸借契約が合意解約された場合、原賃貸人が転借人に対して明渡しを請求しても、転貸借契約は終了しません。
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