賃貸不動産経営管理士の過去問
平成30年度(2018年)
問14

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問題

賃貸不動産経営管理士試験 平成30年度(2018年) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

賃貸借契約の保証に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア  連帯保証においては、附従性が否定されるため、連帯保証人は、借主が負担する債務よりも重い保証債務を負担する。
イ  保証人は、賃貸物件の明渡義務を直接負うわけではないので、借主が賃貸借契約の解除後に明渡しを遅滞したことによって生じた賃料相当損害金については保証債務を負わない。
ウ  賃貸借契約の更新の際、特段の事情のない限り、保証人は更新後の保証債務を負う。
エ  法人が保証人となる場合であっても、書面によらない保証契約は無効である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4(ウ、エ)です。

ア、 誤りです。
保証債務は附従性があります。例えば債務が10万円で保証債務が20万円という事はありえないです。(民法448条)
  
イ、 誤りです。
借主が賃貸借契約の解除後に明渡しを遅滞したことによって生じた賃料相当損害金は、借主の債務です。これについて、保証人は保証債務を負います。(民法447条)

ウ、 正しいです。
保証人は書面により成立します。賃貸借契約の内容に「更新」する場合があることは記載されているはずです。これに対して「更新後は保証しません」と特約をしていなければ、原則的に更新後も保証人になり、保証債務を負います。(判例)

エ、 正しいです。
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。(民法446条2項)
保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する(民法446条3項)
法人、個人の違いはありません。よって書面がなければ無効です。

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02

 本問では、賃借人の債務を保証した保証人の責任が問われています。保証債務は主たる債務との関係で付従性を有し、主たる債務が成立しない限り保証債務は成立せず、保証債務の内容は主たる債務より重くはならず、主たる債務が消滅すれば保証債務も消滅します。ただ、具体的場合において保証人がどこまで責任を負うかは、賃貸人と保証人との間で締結される保証契約の解釈問題、すなわち、保証契約当事者の合理的意思解釈の問題となります。

肢ア 正しいとはいえない
 連帯保証債務も保証債務である以上、主たる債務との関係で付従性を有します。したがって、連帯保証人は主たる債務者よりも重い責任を負いません(民法448条)。連帯保証人には保証人と異なり、補充性がないこととの対比でおさえておきましょう(民法454条)。

肢イ 正しいとはいえない
 保証人が賃借人の賃料債務を保証したのであれば、賃貸借契約が解除された後に生じた損害賠償債務には保証人の責任は及ばないとも思えます。しかし、保証人としては当該賃貸借契約に起因して賃貸人に損害を被らせないとの趣旨で保証契約を締結したと考えるのが保証契約当事者の合理的意思に合致します。それゆえ、保証人は賃貸借契約解除後に生じた賃料相当損害金についても責任を負います。

肢ウ 正しい
 保証契約を締結した保証人としては、特段の事情がない限り、更新後の賃貸借契約から生じる賃料債務についても責任を負う趣旨で保証契約を締結したと解するのが保証契約当事者の合理的意思に合致します。それゆえ、賃貸人による請求が信義則に反すると認められる場合を除き、保証人は更新後の賃貸借契約から生じる賃料債務についても保証人としての責任を免れません。

肢エ 正しい
 保証契約は、安易に他人の債務につき保証人となった者が予想外の責任を負うことを防止するため、書面により契約しなければ効力を生じないとされました(民法446条2項・3項)。

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03

正しいものの組合せは『ウ、エ』です。

ア.誤り。

連帯保証においても、付従性があるため、連帯保証人は、借主が負担する債務よりも重い保証債務を負いません。

イ.誤り。

保証人は、借主が賃貸借契約の解除後に明渡しを遅滞したことによって生じた賃料相当損害金についての保証債務を負います

ウ.正しい。

賃貸借契約の更新の際、特段の事情のない限り、保証人は更新後も継続して保証債務を負います。

エ.正しい。

法人が保証人となる場合であっても、書面または電磁的方法によらない保証契約は無効です。

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