賃貸不動産経営管理士の過去問 令和3年度(2021年) 問20
この過去問の解説 (2件)
<正解> 3
<解説>
1.【不適切】
貸主は、借主が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができます(民法622条の2)。貸主は、建物明渡し前でも敷金を未払賃料に充当することが可能です。
2.【不適切】
敷金は、賃貸借契約上の債務を担保するための金銭であるため、賃貸借契約の締結と同時又は締結前に預け入れられることが一般的ですが、貸主と借主とで敷金預け入れ時期に関する合意があれば、賃貸借契約締結後に敷金を預け入れることも可能です。
3.【適切】
借主が建物賃貸借の対抗要件(本肢では建物の明け渡し)を備えている場合において、第三者に当該建物を売却し、所有権移転登記を完了した場合、賃貸人たる地位とともに敷金に関する権利義務は当然に当該第三者に承継されます(民法605条の2第4項)。
4.【不適切】
貸主は、いつでも敷金をその債務の弁済に充てることができます。この貸主からの充当について借主に対する通知等の意思表示は要しないとされています(判例)。したがって、借主が行方不明で敷金の充当を通知できない場合でも、貸主は敷金を未払賃料や原状回復費用に充当することができます。
<正解> 3
<解説>
1.【誤】
貸主は、借主が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは(例:賃借人が支払う義務のある家賃を支払わなかったとき)、敷金をその債務の弁済に充てることができます(未納となっている家賃に敷金を充当)。貸主は、建物明渡し前でも敷金を未払賃料に充当することが可能です。
敷金の特性として、預かっているお金という扱いであるため、賃貸借契約書に基づいて発生している家賃が未納の場合、預かり主である貸主が未納家賃にこれを充当してもいいとされています。
2.【誤】
敷金は、賃貸借契約上の債務を担保するための金銭です。(未納となった家賃などに充当可能)
その預入時期については、賃貸借契約締結と同時や締結前に預け入れられることが一般的です。上記が一般的なだけで貸主と借主とで敷金預け入れ時期に関する合意があれば、賃貸借契約締結後に敷金を預け入れることも可能です。
3.【正】
借主が建物賃貸借の対抗要件(本肢では建物の明け渡し)を備えている場合において、第三者に当該建物を売却し、所有権移転登記を完了した場合、賃貸人たる地位とともに敷金に関する権利義務は当然に当該第三者に承継されます(民法605条の2第4項)。
上記について、以下の順番です。
①貸主→借主 建物が明け渡されている
②貸主→第三者 賃貸物である上記建物を売却(第三者による所有権移転登記完了)
③貸主→第三者 敷金も移動
※④借主→第三者に対して敷金返還請求権があります
4.【誤】
貸主は、いつでも敷金をその債務の弁済に充てることができ、また預けている借主に対して、充当の際に通知は不要です。
そのため、借主が行方不明で敷金の充当を通知できない場合でも、貸主は敷金を未払賃料や原状回復費用に充当することができます。
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