賃貸不動産経営管理士の過去問
令和4年度(2022年)
問40
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 令和4年度(2022年) 問40 (訂正依頼・報告はこちら)
特定賃貸借契約重要事項説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 特定賃貸借契約において家賃改定日を定める場合はその旨を説明すればよく、これに加えて借地借家法に基づく減額請求について説明する必要はない。
- 特定賃貸借契約を賃貸人と特定転貸事業者との協議の上で更新することができることとする場合は、その旨を説明すればよく、更新拒絶に正当な事由が必要である旨を説明する必要はない。
- 特定賃貸借契約が終了した場合に賃貸人が特定転貸事業者の転貸人の地位を承継することとする定めを設ける場合は、その旨に加えて、賃貸人が転貸人の地位を承継した場合に正当な事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないことを説明しなければならない。
- 特定賃貸借契約を定期建物賃貸借契約によらない建物賃貸借とする場合は、その旨に加えて、契約期間中に家賃の減額はできないとの特約を定めることはできないことを説明しなければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
まず問題文を見た時にどの分野の問題なのかを押さえておきましょう。
管理業法に係るマスターリース契約の重要事項説明についてですね。
「不適切」:家賃改定日以外でも減額請求できる旨の説明が必要です。(解釈・運用の考え方30条2)
「不適切」:正当事由が必要な旨の説明が必要です。(解釈・運用の考え方30条2)
「適切」:賃貸人が転貸人の地位を承継した場合に正当事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないことを説明しなければなりません。(管理業法30条2)
「不適切」:不減額特約(家賃を下げる請求)を設定できないという表現ではなく、家賃の減額請求ができるという表現にする必要があるということです。
本肢は設問の意図が汲み取りにくいため、より詳細に説明します。
「定期建物賃貸借契約ではない」とは、要するに「普通賃貸借契約」を指します。前提として普通賃貸借契約では、不減額特約は設定されたとしても無効になります。
マスターリース契約では、減額請求ができる条件は限られていますが、減額請求自体はされる可能性があります。
よって「不減額特約が無効になる(家賃の減額はできないの特約を定めることができない」という表現から「家賃の減額請求がサブリース業者からされない」と誤認されないように「減額請求ができる」と契約には記載し、説明が必要であるということです。
ですので、設問の意味合いとしては似ていますが、表現が誤りという意図です。繰り返し否定表現が多く、問題の出し方が複雑なので、一通り学んだ上で振り返るとよいと思います。
(解釈・運用の考え方30条2-14-①)
管理業法分野の場合は条文の他に、国交省掲載の「解釈・運用の考え方」や「重要事項説明」及び「契約書」の雛形等を参考に回答できることが多いです。
R5.3.31 国交省 管理業法関係 6 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方
引用URL
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk3_000001_00004.html
出題形式は代表的な3パターンの「正誤問題」「組み合わせ問題」「個数問題」の中では比較的難易度の易しい「正誤問題」です。
問題を解く際に「正しいもの」のあたりに◯印をつけておき、選択肢に左側に◯✕を合わせて書いておくと、転記ミス等を減らせます。
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02
特定賃貸借契約の重要事項説明に関する問題です。
×:誤り
特定賃貸借契約において、家賃改定日が設けられていても、その日以外でも、借地借家法に基づく減額請求ができることについて説明・記載が必要になります。
×:誤り
更新することができることとする(普通借家契約)として特定賃賃貸借契約を締結する場合は、借地借家法が適用されるため、貸主から更新を拒絶する場合は、正当な事由が必要である旨を説明する必要があります。
〇:正しい
特定賃貸借契約が終了し、転貸人の地位を継承する場合は、正当な事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないこと、特定転貸事業者の敷金返還債務を継承すること等について賃貸人が認識できるようにしなければなりません。
×:誤り
特定賃貸借契約において、家賃改定日が設けられていても、その日以外でも、借地借家法に基づく減額請求ができることについて説明・記載が必要になります。
ただし、定期借家契約とした場合は、特定転貸事業者からの家賃の減額請求ができないことの特約を定めることはできます。
借地借家法を貸主が知らない場合は、減額請求や途中解約ができるかできないかを知らないため、契約が不利になってしまうことがないよう、特定転貸事業者は十分に説明・書面に記載して理解していただく必要があります。
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03
「特定賃貸借契約重要事項説明」に関する問題です。
✕(誤り)
契約において、家賃改定日が定められていても、その日以外でも、借地借家法に基づく減額請求が可能である事について記載し、説明しなければならないのです。
✕(誤り)
普通借家契約として特定賃貸借契約を締結する場合、借地借家法第28条(更新拒絶等の要件)が適用されます。その為、賃貸人から更新を拒絶する場合には、正当の事由があると認められる場合でなければすることができない旨を記載し、説明しなければならないのです。
〇(正しい)
特定賃貸借契約が終了した場合、賃貸人が特定転貸事業者の転貸人の地位を承継することとする定めを設け、その旨を記載し、説明することが必要になります。特に、転貸人の地位を承継した場合に、正当な事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないこと、特定転貸事業者の敷金返還債務を承継すること等について賃貸人が認識できるようにすることが必要なのです。
✕(誤り)
契約において、家賃改定日が定められている場合や、一定期間特定転貸事業者から家賃の減額はできないものとする等の内容が契約に盛り込まれていた場合であっても、借地借家法第32条第1項(借賃増減請求権)に基づき、特定転貸事業者からの家賃の減額請求はできることを記載して説明し、賃貸人が、これらの規定により、特定転貸業者からの家賃減額はなされないと誤認しないようにしなければならないのです。記述にある「契約期間中に家賃の減額はできないとの特約を定めることはできないことを説明しなければならない」としてい点が誤りになります。
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