賃貸不動産経営管理士の過去問 令和4年度(2022年) 問44
この過去問の解説 (3件)
国交省が平成31年3月に発表した、「賃貸住宅の計画的な維持管理及び性能向上の推進について」の問題となります。
〇:適切
賃貸住宅のオーナーが中長期的な視点のものとで計画修繕するなどの投資判断を行うことの重要性が述べられているとともに、そのような判断を行うための基本的プロセスや留意点、賃貸住宅の計画的な維持管理・性能向上を行っていく上での課題等が述べられています。
×:不適切
借り手市場になって空室対策に苦しむエリアについては、入居率を維持し賃料収入を確保するためには、できるだけ優良な借主に長く住んでもらうことが重要になってきます。
×:不適切
優良な借主に長く契約を継続してもらうニーズが大きくなる中では、借主を消費者と位置付けて借主の立場でどういう部屋なら、長く借りてくれるかを考えて賃貸借契約をしていく必要があります。
×:不適切
資産価値の維持・向上を通じたストック型社会の実現、コミュニティ形成、高齢者見守り等の付加価値サービスの提供やエリアマネジメントの推進については、不動産管理業の役割とされています。
賃貸住宅を管理するにあたっては、国交省が指針を示した内容をふまえて行っていく必要があります。問題文の公表文を一度は全て通して読んでおくことで、管理業の傾向等をつかむことができます。
まず問題文を見た時にどの分野の問題なのかを押さえておきましょう。
賃貸住宅管理についてですね。
「適切」:高経年建物の大幅な増加や居住者側のニーズの多様化を背景に、空室率の上昇や家賃水準の引下げのおそれがあることから、賃貸住宅の貸主が中長期的な視点のもとで計画修繕するなどの投資判断を行うことの重要性が述べられています。
「不適切」:一時金収入と賃料引上げに期待する考えよりも、優良な入居者に長期間住んでもらうほうが大切とされています。
「不適切」:借主は借地借家法で保護されていることから、借主を消費者と位置付けて消費者保護の観点から賃貸借関係を捉える必要はあります。
「不適切」:本肢は不動産流通業ではなく、不動産管理業の役割です。
出題形式は代表的な3パターンの「正誤問題」「組み合わせ問題」「個数問題」の中では比較的難易度の易しい「正誤問題」です。
問題を解く際に「適切なもの」のあたりに◯印をつけておき、選択肢に左側に◯✕を合わせて書いておくと、転記ミス等を減らせます。
「賃貸住宅管理」に関する問題です。
〇(適切)
「賃貸住宅の計画的な維持管理及び性能向上の推進について~計画修繕を含む投資判断の重要性~」では、高経年建物の大幅な増加や居住者側のニーズの多様化を背景に、空室率の上昇や家賃水準の引下げのおそれがあることから、賃貸住宅の貸主が中長期的な視点のもとで計画修繕するなどの投資判断を行うことの重要性が述べられているのです。
✕(不適切)
入居者の入替えに伴って得られる新規入居者からの一時金収入と賃料引上げに期待する考え方ではなく、できるだけ優良な借主に長く借りてもらうことが大切になります。記述にある「借主の入替えに伴う新規入居者からの一時金収入と賃料引上げに期待する考え方を強化することが大切になっている」としている点が誤りです。
✕(不適切)
既存の賃貸住宅経営の観点から優良な借主に長く契約を継続してもらうニーズが大きくなり、借主の立場を重視した管理のあり方が要請されています。また、個人である借主を消費者と位置付けて、消費者保護の観点から不動産賃貸借を捉える必要がでてきます。
記述にある「借主を消費者と位置付けて消費者保護の観点から賃貸借関係を捉える必要はない」としている点が誤りになります。
✕(不適切)
「不動産業ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~」は、不動産「管理業」の役割として、資産価値の維持・向上を通じたストック型社会の実現、コミュニティ形成、高齢者見守りなど付加価値サービスの提供やエリアマネジメント推進を指摘しています。
記述にある「不動産流通業の役割」としている点が誤りです。
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