賃貸不動産経営管理士の過去問
令和5年度(2023年)
問3

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問題

賃貸不動産経営管理士試験 令和5年度(2023年) 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

管理受託契約変更契約の重要事項説明を電話で行う場合に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア  賃貸人から賃貸住宅管理業者に対し、電話による方法で管理受託契約変更契約の重要事項説明を行ってほしいとの依頼がなければ行うことはできない。
イ  賃貸人から電話による方法で重要事項説明を行ってほしいとの依頼があった場合でも、後から対面による説明を希望する旨の申出があった場合は、対面で行わなければならない。
ウ  賃貸人が、管理受託契約変更契約の重要事項説明書を確認しながら説明を受けることができる状態にあることについて、重要事項説明を開始する前に賃貸住宅管理業者が確認することが必要である。
エ  賃貸人が、電話による説明をもって管理受託契約変更契約の重要事項説明の内容を理解したことについて、賃貸住宅管理業者が重要事項説明を行った後に確認することが必要である。

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この過去問の解説 (2件)

01

正しいものは4つです。
 

管理受託契約変更契約の重要事項説明を電話で行う場合は以下の要件をすべて満たす必要があります。

また、賃貸人から電話による方法で重要事項説明を行ってほしいとの依頼があった場合でも、後から対面による説明を希望する旨の申出があった場合は、対面で行わなければなりません。

 

・事前に管理受託契約変更契約の重要事項説明等を送付し、送付から一定期間後に説明を実施するなどして、賃貸人が変更契約締結の判断を行うまでに十分な時間をとること。

・賃貸人から電話による方法で重要事項説明を行ってほしいとの依頼があること。

・賃貸人が、管理受託契約変更契約の重要事項説明書を確認しながら説明を受けることができる状態にあることについて、重要事項説明を開始する前に確認していること。

・賃貸人が、電話による説明をもって管理受託契約変更契約の重要事項説明の内容を理解したことについて、賃貸住宅管理業者が重要事項説明を行った後に確認していること。

 

ア  賃貸人から賃貸住宅管理業者に対し、電話による方法で管理受託契約変更契約の重要事項説明を行ってほしいとの依頼がなければ行うことはできない。

【正】

 

イ  賃貸人から電話による方法で重要事項説明を行ってほしいとの依頼があった場合でも、後から対面による説明を希望する旨の申出があった場合は、対面で行わなければならない。

【正】

 

ウ  賃貸人が、管理受託契約変更契約の重要事項説明書を確認しながら説明を受けることができる状態にあることについて、重要事項説明を開始する前に賃貸住宅管理業者が確認することが必要である。

【正】

 

エ  賃貸人が、電話による説明をもって管理受託契約変更契約の重要事項説明の内容を理解したことについて、賃貸住宅管理業者が重要事項説明を行った後に確認することが必要である。

【正】
 

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02

この問題は、「管理受託契約変更契約の重要事項説明を電話で行う場合の手順と注意点」に関する知識を問うものです。

 

賃貸住宅管理業法では、重要事項説明を対面で行うことを原則でしたが、2023年3月から一定の条件の下で電話による説明も可能となりました。ただし、電話での説明を行う際には、賃貸人の理解を確実にするための配慮が必要です。

 

このため、電話での重要事項説明を行う際のポイントについて整理しておくことが重要です。


ここで、

令和5年3月31日施行 解釈運用の考え方ー第13条関係4(3)(以下、「解釈運用の考え方」と称します)よりポイントを抜粋します。

管理受託契約変更契約の重要事項説明については、

次に掲げるすべての事項を満たしている場合に限り、

電話による説明をもって対面による説明と同様に取扱うものとする。

 

・事前に管理受託契約変更契約の重要事項説明書等を送付し、

 その送付から一定期間後に説明を実施するなどして、

 賃貸人が変更契約締結の判断を行うまでに十分な時間をとること

・賃貸人から賃貸住宅管理業者に対し、

 電話により管理受託契約変更契約の重要事項説明を行ってほしいとの依頼があること

・賃貸人が、管理受託契約変更契約の重要事項説明書等を確認しながら

 説明を受けることができる状態にあることについて、

 賃貸住宅管理業者が重要事項説明を開始する前に確認していること

・賃貸人が、電話による説明をもって当該管理受託契約変更契約の重要事項説明の内容を

 理解したことについて、賃貸住宅管理業者が重要事項説明を行った後に確認していること

 

なお、賃貸人から賃貸住宅管理業者に対し、電話により管理受託契約変更契約の

重要事項説明を行ってほしいとの依頼があった場合であっても、

賃貸人から、対面又はITの活用による説明を希望する旨の申出があったときは、

当該方法により説明しなければならない。

選択肢4. 4つ

【ア:適切です】

この選択肢は、「電話での重要事項説明は賃貸人の依頼を受ける」ことがポイントです。


これは、解釈運用の考え方の記載通りの設問です。管理受託契約変更契約の重要事項説明は、賃貸人からの依頼があれば電話での説明を行うことができます。

 

なお、実務では、賃貸住宅管理業者が依頼を受けるためのプロセスに注意が必要です。
通常、賃貸人が十分な管理受託契約変更契約の知識があるとは限りません。ですので、依頼人から自発的に電話での依頼をするケースは少ないと考えられます。実務では、賃貸住宅管理業者から賃貸人への管理受託契約変更契約の重要事項説明を電話で行う旨の申し入れを行い、賃貸人の同意を得ることで賃貸人からの依頼と解釈して、電話での重要事項説明を実施すると考えられます。この場合、賃貸人が変更契約締結の判断を行うまでに十分な時間の確保要件を満たしているかが問題になります。つまり、重要事項説明の直前の同意獲得では不十分であると考えらます。このため、事前に管理受託契約変更契約の重要事項説明書等を送付する際に、電話での重要事項説明の実施について同意を求めることが必要になると考えらます。

 

従って、この選択肢は適切な記述と言えます。

 

 

【イ:適切です】

この選択肢は、「賃貸人の意思を尊重する」ことがポイントです。

 

これは、解釈運用の考え方のなお書きに記載の設問です。賃貸人の意思を尊重することは、法の趣旨である「賃貸人が重要事項説明の内容を十分に理解し、納得した上で契約変更を行うことができるようにする」に合致します。このため、電話による説明の途中や後であっても、賃貸人が対面での説明を希望した場合は、その要望に応じて対面で説明を行わなければなりません。

 

従って、この選択肢は適切な記述と言えます。

 

 

【ウ:適切です】

この選択肢は、「賃貸人が説明を受けることができる状態を賃貸住宅管理業者は確認する」ことがポイントです。

 

これは、解釈運用の考え方の記載通りの設問です。この規定は、賃貸人が重要事項説明の誤解を防ぎ、正確に理解できる状態にするためのものです。具体的には、賃貸住宅管理業者は、説明を始める前に、賃貸人が重要事項説明書を手元に用意し、内容を確認しながら説明を受けられる状態にあることを確認する必要があります。

 

したがって、この選択肢は適切な記述です。

 

 

【エ:適切です】

この選択肢は、「説明後に賃貸人が内容を理解したことを確認する」ことがポイントです。

 

これは、解釈運用の考え方の記載通りの設問です。重要事項説明の目的は、賃貸人に契約内容を理解してもらうことです。特に電話での説明の場合、対面と比べて理解度の確認が難しいため、説明後に賃貸人が理解したことを確認することは非常に重要です。

 

したがって、この選択肢は適切な記述です。

まとめ

電話による重要事項説明は、賃貸人にとっても、賃貸住宅管理業者にとっても便利な制度です。しかし、対面による説明と比べて、賃貸人が重要事項説明の内容を理解しにくいというデメリットもあります。そのため、賃貸住宅管理業者は、電話による説明を行う際には、賃貸人が内容を十分に理解できるよう、丁寧に説明する必要があります。

 

管理受託契約変更契約の重要事項説明を電話で行う場合、以下の点を重視することが重要です:

・電話による説明は賃貸人の依頼を受けて行います。
・対面説明の希望があれば、それに応じる必要があります。
・賃貸人が説明書を確認できる状態にあることを確認します。
・説明後、賃貸人の内容を理解したことを確認します。

 

これらのポイントを押さえることで、電話による重要事項説明が、適切かつ効果的に行うことができます。また、このような手順を踏むことで、トラブルを防ぎ、賃貸人との信頼関係を築くことができます。


実務では、これらの知識を基に、電話での説明の際のチェックリストを作成したり、説明の記録を適切に保管したりすることが有効です。また、説明方法の選択肢を増やすことで、より柔軟な対応が可能になります。

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