1級電気工事施工管理技士の過去問
平成30年度(2018年)
(旧)平成30年度 問22

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 平成30年度(2018年) 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

架空送電線路のフラッシオーバに関する記述として、不適当なものはどれか。
  • フラッシオーバは、がいし連の絶縁耐力を上回る異常電圧が侵入したときに発生する。
  • がいし表面が塩分などで汚損されると、交流に対するフラッシオーバ電圧が低下する。
  • 径間逆フラッシオーバを防止するため、架空地線のたるみを電線のたるみより大きくする。
  • アークホーン間隔は、遮断器の開閉サージでフラッシオーバしないように設定する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.例を挙げると、送電線に直接落雷する場面では、がいし連の絶縁耐力を上回る異常電圧が侵入し、フラッシオーバします。

2.台風や季節風が原因でがいし表面が塩分で汚損され、交流に対するフラッシオーバ電圧が低下します。

3.径間逆フラッシオーバを防止するためには、架空地線のたるみを小さくする必要があります。従って、3が不適切です。

4.フラッシオーバが発生しないように、アークホーン間隔を遮断器の開閉サージで設定しています。

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02

フラッシオーバとは、雷による異常電圧が、送電線路に直接侵入する現象をいいます。

そして逆フラッシオーバとは、雷による異常電圧が、送電塔側や送電塔と電気的に接続している架空地線から、送電線路に侵入する現象をいいます。

架空地線は、架空送電線路の上に接地線を張ることで直撃雷を受け止め、送電線路を保護する目的で設けられています。
架空地線のたるみを大きくすると、電線との距離は近くなり、逆フラッシオーバが生じやすくなります。

したがって正解は、3 です。

他の、1・2・4 は正しく述べています。

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03

架空送電線路のフラッシオーバに関する問題です。

フラッシオーバとは、上下がいしの金具部に電圧を加えて上げていくと、絶縁耐力を上回った異常電圧となりがいし周辺の空気を通してがいしの金具に接続アークが飛び、がいしが短絡することです。

選択肢1. フラッシオーバは、がいし連の絶縁耐力を上回る異常電圧が侵入したときに発生する。

解説で書いている通りです。

選択肢2. がいし表面が塩分などで汚損されると、交流に対するフラッシオーバ電圧が低下する。

がいしに塩分やほこりが付着して、小雨などで湿気が加わると、がいし表面の絶縁が低下し、低い電圧でもフラッシオーバを起こします。

選択肢3. 径間逆フラッシオーバを防止するため、架空地線のたるみを電線のたるみより大きくする。

×

外雷が生じる対策として、架空地線を設置して直撃雷を架空地線で吸収させる方法がありますが、架空地線と電線の径間を大きくすることで絶縁距離を大きくし、逆フラッシオーバを小さくするために、電線のたるみに対して架空地線のたるみを小さくすれば、径間が大きくなります。

したがって、「架空地線のたるみを電線のたるみより大きくする」は、誤りです。

選択肢4. アークホーン間隔は、遮断器の開閉サージでフラッシオーバしないように設定する。

アークホーンは、雷サージのフラッシオーバを、アークホーン間で起こさせて、後に続くアークをがいしから遠ざけ、がいしをアーク熱による破損から防止します。

アークホーンの間隔は、遮断器の開閉サージで、フラッシオーバしないように設定します。

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