1級電気工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
午前 ロ 問20

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 午前 ロ 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

電力系統の運用と制御に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 太陽光発電等のインバータ電源は、回転エネルギーを持たない電源なので、その比率が増大すると、系統安定度が低下する。
  • 軽負荷時には系統電圧が上昇傾向となり、これを抑制するために電力用コンデンサを並列に系統へ投入する。
  • 電力潮流は、電源構成や送変電設備などにより制約を受け、需要および供給力により変化する。
  • 系統周波数が上がると、発電機の発電電力を減少させるよう調速機が動作する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

 軽負荷時に電圧が上昇するのは、需要家の負荷(一般的に遅れ力率で、遅れ無効電力)が小さくなることで、系統全体にとっては、相対的に送電線と大地の間の静電容量による進みの無効電力の影響が無視できるからです。

 その結果、系統の需要家側では、電圧が上昇します。電圧上昇を解消するには、分路リアクトル、同期調相機など、遅れの無効電力を供給することによって、静電容量と相殺しています。

 電力用コンデンサは、進みの無効電力を供給するので、電圧上昇を解消できません。

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02

電力系統の運用と制御に関する問題です。

選択肢1. 太陽光発電等のインバータ電源は、回転エネルギーを持たない電源なので、その比率が増大すると、系統安定度が低下する。

〇 正しいです。

インバータ電源は、交流系統の電圧波形を監視して、系統に追従するように制御して同期化する力がないため、インバータ電源と交流電源の比率が変化すると、系統の安定度は低下します。

選択肢2. 軽負荷時には系統電圧が上昇傾向となり、これを抑制するために電力用コンデンサを並列に系統へ投入する。

× 誤りです。

軽負荷時には系統電圧が上昇傾向は、フェランチ効果です。電力用コンデンサは、重負荷時に増加する無効電力により電圧が低下しやすくなるため、電圧降下の補償として機能します。

フェランチ効果対策には、電力コンデンサが設置されていれば開放することです。

電圧上昇を抑制するためには、分路リアクトルを負荷と並列に設置して、電圧上昇を抑制することで、フェランチ効果が起こり難くなります。

選択肢3. 電力潮流は、電源構成や送変電設備などにより制約を受け、需要および供給力により変化する。

〇 正しいです。

問題文の記述の通りです。

選択肢4. 系統周波数が上がると、発電機の発電電力を減少させるよう調速機が動作する。

〇 正しいです。

負荷は周波数が上がると、消費電力を増加させようとします。周波数が上がると調速機が働いて発電機の出力を減らすように動作します。

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03

電力系統の運用と制御に関する問題です。

選択肢1. 太陽光発電等のインバータ電源は、回転エネルギーを持たない電源なので、その比率が増大すると、系統安定度が低下する。

〇 正しいです。

太陽光発電等のインバータ電源は、回転エネルギーを持たない電源なので、

運転停止した場合には、瞬時に発電量がゼロになります。

系統内にこのような電源の構成比率が増えると、系統安全性が低下します。

選択肢2. 軽負荷時には系統電圧が上昇傾向となり、これを抑制するために電力用コンデンサを並列に系統へ投入する。

✕ 誤りです。

軽負荷時には、負荷の遅れ電力が減少し、系統が進相となって電圧が

上昇するので、バランスをとるために分岐リアクトルを挿入します。

選択肢3. 電力潮流は、電源構成や送変電設備などにより制約を受け、需要および供給力により変化する。

〇 正しいです。

電力潮流とは、系統の大きなエネルギーの流れをいいます。

選択肢4. 系統周波数が上がると、発電機の発電電力を減少させるよう調速機が動作する。

〇 正しいです。

軽負荷になると系統周波数が上がるので、発電機の発電電力を減少させます。

まとめ

再生可能エネルギーを系統に接続するには、系統の安定性に

問題が生じる場合があります。

特に風量発電は出力変化が大きいため、対策が必要です。

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