1級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)
問64 (午後 ロ 問4)

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問題

1級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年) 問64(午後 ロ 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

接地抵抗試験に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、誤っているものはどれか。
  • 単相200Vの照明器具の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。
  • 特別高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。
  • 単相3線式100/200Vの分電盤の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。
  • 高圧電路の1線地絡電流が5Aのとき、高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。

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この過去問の解説 (2件)

01

接地抵抗試験の内容で、「電気設備の技術基準とその解釈」に関する問題です。

選択肢1. 単相200Vの照明器具の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。

適当です。

単相200Vの照明器具の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωの場合、良と判断できます。

選択肢2. 特別高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。

不適当です。

特別高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の接地抵抗値が10Ω以下の場合、良と判断出来ます

選択肢3. 単相3線式100/200Vの分電盤の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。

適当です。
単相3線式100/200Vの分電盤の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωの場合、良と判断出来ます。

選択肢4. 高圧電路の1線地絡電流が5Aのとき、高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。

適当です。

高圧電路の1線地絡電流が5Aのとき、高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωの場合、良と判断出来ます。

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02

接地工事は、感電や火災を防ぐため、電気設備と地面を電気的に接続する工事です。

A種: 高圧・特別高圧機器の感電防止。基準は10Ω以下

B種: 変圧器の高圧と低圧の混触による低圧側の高電圧化を防止。基準は地絡電流に依存

C種: 300Vを超える低圧機器の感電防止。基準は10Ω以下

D種: 300V以下の低圧機器の感電防止。基準は100Ω以下

選択肢1. 単相200Vの照明器具の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。

単相200Vの照明器具の金属製外箱

これはD種接地工事に該当します。

D種接地工事の接地抵抗値は100Ω以下と定められています。

したがって、20Ωであればと判断されます。

選択肢2. 特別高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。

 特別高圧の電路に施設する避雷器

これはA種接地工事に該当します。

A種接地工事の接地抵抗値は10Ω以下と定められています。

したがって、20Ωでは基準を満たさず、不適と判断されます。

選択肢3. 単相3線式100/200Vの分電盤の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。

単相3線式100/200Vの分電盤の金属製外箱

これはD種接地工事に該当します。

D種接地工事の接地抵抗値は100Ω以下と定められているため、20Ωであればと判断されます。

選択肢4. 高圧電路の1線地絡電流が5Aのとき、高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点に施す接地工事の接地抵抗値が20Ωであったので、良と判断した。

高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側中性点

これはB種接地工事に該当します。

B種接地工事の接地抵抗値は、高圧電路の1線地絡電流に依存し、その基準値はR≤150/Iと定められています。

 

この場合、1線地絡電流Iが5Aであるため、基準値はR≤150/5=30Ωとなります。したがって、20Ωであればと判断されます。

まとめ

A種接地工事: 基準は10Ω以下。特別高圧の電路に施設する避雷器が該当し、20Ωでは基準を満たしません。

B種接地工事: 基準は地絡電流に依存(R≤150/I​)。この問題の計算上では、30Ω以下であれば良と判断されます。

※地絡電流 I が大地に流れるとき、その電流が接地抵抗 R を通ると、電圧降下が発生します。

この電圧(V=R×I)が、人が触れる可能性のある低圧電路の対地電圧に加わることになります。

この電圧が危険なレベル(150V)を超えないように、接地抵抗 R の値を「150/I」以下に抑える必要があります。

このように、B種接地工事の接地抵抗値は、固定値ではなく、地絡電流というその場所の電気的な条件によって変動する、動的な基準となっています。

 

D種接地工事: 基準は100Ω以下。単相200Vの照明器具や単相3線式の分電盤などが該当し、20Ωであれば良と判断されます。  

避雷器はA種接地工事のため、基準は10Ω以下であり、20Ωは不適切となります。

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