FP3級の過去問 2014年1月 実技 問80

正解は　３　です。

広樹さんは、「 厚生年金の被保険者 」であると同時に「 国民年金の第2号被保険者 」でもあります。

「 遺族基礎年金 」は、被保険者の「 子のある配偶者 」または「 子 」に対して支払われます。＜設例＞によると、広樹さんには長女である「 希美さん 」がいますので、妻の美和さんが「 子のある配偶者 」に該当します。
また、「 保険料納付要件 」として、被保険者の死亡日が「 平成38年4月1日より前 」の場合、死亡日時点で65歳未満であれば、「 死亡日の月の前々月までの1年間 」に保険料を納めていることで受給が可能になります。広樹さんは、この点もクリアしています。

よって、美和さんは「 遺族基礎年金 」からの給付が受けられます。

「 遺族厚生年金 」は、被保険者が死亡した場合、「 遺族基礎年金の保険料納付要件 」を満たしていれば、死亡当時に「 被保険者により生計を維持されていた遺族 」に対して支払われます。問題文中には「 遺族給付における生計維持要件は満たされているものとする。」とありますので、よって、美和さんは「 遺族厚生年金 」からの給付も受けられます。

したがって、広樹さんが現時点（31歳）で死亡した場合、妻の美和さんには、「 遺族基礎年金 」と「 遺族厚生年金 」が支給されます。

解答：３

　広樹さんは会社員なので、国民年金第2号被保険者です。
　国民年金の加入者が受け取れる遺族基礎年金は、亡くなった人に生計を維持されていた「子」（18歳到達未満または1.2級の障害状態にある20歳未満の子）がいる場合、「子のある配偶者」または「子」に対して、支給されるものです。
　広樹さんには子がおり、国民年金未納期間もありませんので、妻は遺族基礎年金を受給することができます。

　遺族厚生年金は現役で働いている厚生年金加入者や退職後の老齢厚生年金の受給権者に支給されます。
　遺族厚生年金を妻が受け取る場合の年齢制限は特にありませんが、年齢30歳未満で子のない妻は５年間のみの支給となります。今回の問題では一生涯受け取れます。
　広樹さんは死亡時まで厚生年金に加入していますので、遺族厚生年金も妻が受給できます。

　よって、両方受給できる「３」の選択肢が正解です。
　

正解は【３】になります。

遺族年金の受給要件に関する問題です。
遺族給付には、国民年金の被保険者や受給権者が死亡したとき、遺族に支給される遺族基礎年金と厚生年金の被保険者や受給権者が死亡したときに支給される遺族厚生年金があります。

遺族基礎年金を受けられる遺族の要件としては、死亡した人に生計を維持されていた子のある妻または子であり、子とは１８歳に達する日以降最初の３月３１日までにある子か、障害等級１級、２級に該当する２０歳未満の未婚の子を指します。

今回の設問は、上記の要件に達しているので遺族基礎年金を受け取ることができます。

次に遺族厚生年金ですが、死亡した者によって生計を維持されていた配偶者と子、父母、孫、祖父母の順で受給できます。
設問に生計維持要件は満たされているとありますので、遺族厚生年金も受けることが出来ます。

以上の観点から、設問のケースでは遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取ることができ、【３】が正解になります。