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行政書士の過去問 平成27年度 法令等 問9

問題

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国と国家公務員との法律関係に関する次の記述のうち、最高裁判所の判決に照らし、正しいものはどれか。
   1 .
国と国家公務員は特別な社会的接触の関係にあるので、公務災害の場合、国は、一般的に認められる信義則上の義務に基づいて賠償責任を負うことはない。
   2 .
安全配慮義務は私法上の義務であるので、国と国家公務員との間の公務員法上の関係においては、安全配慮義務に基づく責任は認められない。
   3 .
公務災害に関する賠償は、国の公法上の義務であるから、これに民法の規定を適用する余地はない。
   4 .
公務災害に関する賠償については、国家賠償法に基づく不法行為責任が認められる場合に限られ、上司等の故意過失が要件とされる。
   5 .
公務災害に関わる金銭債権の消滅時効期間については、早期決済の必要性など行政上の便宜を考慮する必要がないので、会計法の規定は適用されず、民法の規定が適用される。
( 行政書士試験 平成27年度 法令等 問9 )
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この過去問の解説 (3件)

8
本問は最高裁判所が昭和50年2月25日にした判例について問うています。

1 誤り

上記判例において『安全配慮義務は、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入つた当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められるべきものであつて、国と公務員との間においても別異に解すべき論拠はな』いとされています。公務災害だからといって損害賠償を負わないということはできません。

2 誤り

上記判例において『国は、公務員に対し、(略)公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務(以下「安全配慮義務」という。)を負つているものと解すべきである。』とされています。国にも公務員に対して安全配慮義務が求められています。

3 誤り

上記判例において『国に対する右損害賠償請求権の消滅時効期間は、会計法三〇条所定の五年と解すべきではなく、民法一六七条一項により一〇年と解すべきである。』とされています。公務災害に関する損害賠償請求権の消滅時効期間については民法が適応されると判断されました。

4 誤り

上記判例において『国が、不法行為規範のもとにおいて私人に対しその生命、健康等を保護すべき義務を負つているほかは、いかなる場合においても公務員に対し安全配慮義務を負うものではないと解することはできない。』とされています。国は公務員に対して国家賠償法に基づく不法行為に対してだけでなく、安全配慮義務に基づく不法行為に対しても損害賠償責任を負います。また、上司等の故意過失も要件ではありません。

5 正しい

問3と同様に、上記判例では『(国の公務員に対する安全配慮)義務につき前記のような行政上の便宜を考慮する必要はなく、また、国が義務者であつても、被害者に損害を賠償すべき関係は、公平の理念に基づき被害者に生じた損害の公正な填補を目的とする点において、私人相互間における損害賠償の関係とその目的性質を異にするものではないから、国に対する右損害賠償請求権の消滅時効期間は、会計法三〇条所定の五年と解すべきではなく、民法一六七条一項により一〇年と解すべきである。』とされています。

よって、解答は5となります。

付箋メモを残すことが出来ます。
3
正解5

1 不正解 判例は公務災害の場合であっても、信義則上の義務を認める判断をしています。


2 不正解 当然、公務員法上の関係であっても安全配慮義務は生じます。


3 不正解 会計法30条の消滅時効ではなく民法が適用されているケースがあります。また公法と私法の適用関係に関する判例がいくつかありますので確認しておきましょう。


4 不正解 国の不法行為責任と安全配慮義務違反の損害賠償責任は競合、効果が重複します。


5 正解 有名な判例です。会計法ではなく民法167条1項が適用され消滅時効は十年とされました。

1
正解 5

1 × 参考判例 陸上自衛隊事件(最高裁昭和50年2月25日)
安全配慮義務は、国と公務員との間においても別異に解すべき論拠はないとして、国の信義則上の義務を認めています。

2 × 上記判例の通り、安全配慮義務は公務員法上の関係であっても生じます。

3 × 上記判例は「損害賠償請求権の消滅時効期間は、会計法30条所定の5年と解すべきではなく、民法167条1項により10年と解すべきである」として、民法の規定の適用を認めています。

4 × 判例は、国の不法行為責任と安全配慮義務違背に基づく損害賠償責任は競合的に発生することを認めています。

5 〇 判例は、国の安全配慮義務違背に基づく損害賠償責任は10年の消滅時効にかかるとしています(民法167条1項)。会計法30条が国の金銭債権につき5年の消滅時効を定めた趣旨は早期に決済をする「行政上の便宜」にありますが、安全配慮義務違背に基づく損害賠償責任は「行政上の便宜」を考慮する必要がないため、民法167条1項が適用されました。

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