行政書士の過去問
平成29年度
一般知識等 問55

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問題

行政書士試験 平成29年度 一般知識等 問55 (訂正依頼・報告はこちら)

日本の著作権に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア  裁判所の出す判決は、裁判官らによって書かれているが、その公共性の高さから著作権が認められていない。
イ  著作権法の目的は、権利者の保護、著作物の普及推進、国民経済の発展の三つとされている。
ウ  著作物に該当するかどうかは、創作性、表現性、財産性の三つから判断することとされている。
エ  データベースは著作物ではないので著作権法の保護の対象とならない。
オ  原作を映画化したり脚色した作品も、原作とは別に著作権法上保護の対象となる。
  • ア・ウ
  • ア・オ
  • イ・ウ
  • イ・エ
  • エ・オ

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この過去問の解説 (4件)

01

ア:妥当
著作権法13条3号によると、「裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの」は「権利(=著作権)の目的となることができない」とされています。

イ:妥当でない
著作権法の目的は、「この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与すること(法1条)」とされ、「著作物の普及推進、国民経済の発展」については規定されていません。

ウ:妥当でない
法が規定する著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(法2条1項1号)」であり、「創作性、表現性、財産性の三つから判断する」わけではありません。

エ:妥当でない
データベースについても、「データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護」されます(法12条の2)。

オ:妥当
これらは、著作権法89条以下によって、「著作隣接権」を認め、原作を映画化したり脚色した作品も、原作とは別に著作権法上保護の対象となります。

したがって、ア・オが正しい記述で、②が正解となります。

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02

ア 〇
正しい記述です。

イ ×
著作権法第1条によると、「著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与すること」を目的とする、とあります。
著作物の普及推進や国民経済の発展を目的とするとはされていません。

ウ ×
著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」といいます。
創作性・表現性・財産性の3つで判断するわけではありません。

エ ×
著作権法12条の2第1項によると、「データベースでその情報の選抜又は体系的な構成によって創作性を有するものは、著作物として保護する」とありますので、データベースも著作権法の保護の対象となります。

オ 〇
正しい記述です。

よって正解は②です。

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03

正解は2
著作権に関する設問です。

ア〇 著作権法13条3号の通りです。「次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。 一 憲法その他の法令 二 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの 三 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの 四 前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの」

イ× 同法1条は、以下のように規定しています。「この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」

ウ× 同法2条1項は、以下のように規定しています。「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」

エ× 同法12条の2第1項は、以下のように規定しています。「データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。」 

オ〇 「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物」(同法2条1項11号)は二次著作物とされ、保護の対象となります(同法11条他)。

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04

本問は著作権法に関する問題です。

著作権の文化庁への登録制度は、
登録申請業務を行政書士の専管業務となっています。

一般知識問題は、
行政書士の受任できる業務に関連する法令の
学習を中心に進めるとよいでしょう。


妥当である。

著作憲法第13条3号により、
裁判所の判決、決定及び審判並びに行政庁の
採決及び決定で裁判に準ずる手続により行われる
ものについては、著作権法の保護対象外と
されています。


妥当でない。

著作権法第1条によれば、本法の目的について、
「著作者等の権利の保護を図り、
もつて文化の発展に寄与すること」としています。

その為、「著作物の普及推進」「国民経済の発展」
を本法の目的とするとの記述が不整合です。


妥当でない。

著作権法第2条によれば、著作物の定義について、
「思想又は感情を創作的に表現したものであつて
文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」
としています。

そのため、問題中「財産性」の要件を
有するものではありません。


妥当でない。

著作権法第12条・・・によれば、
「データベースでその情報の選択又は
体系的な構成によつて創作性を有するものは、
著作物として保護する。」と規定されており、
著作権法の保護対象にあたります。


妥当である。
原作を映画化したり脚色したりした作品には、
「隣接著作権」が認められ、
別に著作権法の保護の対象になります。


従って、本問はア・オの組み合わせである2が
正解となります。

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