行政書士の過去問
令和4年度
法令等 問41_2
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問題
行政書士試験 令和4年度 法令等 問41_2 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章の空欄( イ )に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。
( ア )の争訟は、①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、②それが法令の適用により終局的に解決することができるものに限られるとする当審の判例(引用略)に照らし、地方議会議員に対する出席停止の懲罰の取消しを求める訴えが、①②の要件を満たす以上、( ア )の争訟に当たることは明らかであると思われる。
( ア )の争訟については、憲法32条により国民に裁判を受ける権利が保障されており、また、( ア )の争訟について裁判を行うことは、憲法76条1項により司法権に課せられた義務であるから、本来、司法権を行使しないことは許されないはずであり、司法権に対する( イ )制約があるとして司法審査の対象外とするのは、かかる例外を正当化する( ウ )の根拠がある場合に厳格に限定される必要がある。
国会については、国権の最高機関(憲法41条)としての( エ )を憲法が尊重していることは明確であり、憲法自身が議員の資格争訟の裁判権を議院に付与し(憲法55条)、議員が議院で行った演説、討論又は表決についての院外での免責規定を設けている(憲法51条)。しかし、地方議会については、憲法55条や51条のような規定は設けられておらず、憲法は、( エ )の点において、国会と地方議会を同視していないことは明らかである。
(最大判令和2年11月25日民集74巻8号2229頁、宇賀克也裁判官補足意見)
( ア )の争訟は、①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、②それが法令の適用により終局的に解決することができるものに限られるとする当審の判例(引用略)に照らし、地方議会議員に対する出席停止の懲罰の取消しを求める訴えが、①②の要件を満たす以上、( ア )の争訟に当たることは明らかであると思われる。
( ア )の争訟については、憲法32条により国民に裁判を受ける権利が保障されており、また、( ア )の争訟について裁判を行うことは、憲法76条1項により司法権に課せられた義務であるから、本来、司法権を行使しないことは許されないはずであり、司法権に対する( イ )制約があるとして司法審査の対象外とするのは、かかる例外を正当化する( ウ )の根拠がある場合に厳格に限定される必要がある。
国会については、国権の最高機関(憲法41条)としての( エ )を憲法が尊重していることは明確であり、憲法自身が議員の資格争訟の裁判権を議院に付与し(憲法55条)、議員が議院で行った演説、討論又は表決についての院外での免責規定を設けている(憲法51条)。しかし、地方議会については、憲法55条や51条のような規定は設けられておらず、憲法は、( エ )の点において、国会と地方議会を同視していないことは明らかである。
(最大判令和2年11月25日民集74巻8号2229頁、宇賀克也裁判官補足意見)
- 法令上
- 一般的
- 公法上
- 地位
- 自律性
- 訴訟法上
- 外在的
- 必然的
- 公益上
- 法律上
- 独立性
- 社会的
- 慣習法上
- 権能
- 私法上
- 公共性
- 偶然的
- 実体法上
- 判例法上
- 憲法上
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この過去問の解説 (3件)
01
「地方議会による議員に対する出席停止の懲罰の適否は、司法審査の対象外である」とした判例からの出題です。判例を知らなくても、文章の内容から当てはまる語句を探すことができます。
ア:法律上 イ:外在的 ウ:憲法上 エ:自律性
つまり、イに該当する語句の正解は「外在的」になります。
正しいです(イに該当)
内在的制約とは、「本来当然に存在する制約」です。憲法76条1項で、「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」と規定されていることから、原則としては司法権を行使しないことは許されないとされています。ここで、問題文では「司法権に対する[ イ ]制約があるとして司法審査の対象外とするのは」とあるため、イに該当するのは内在的制約の反対の語句で、「外在的(制約)」が当てはまります。
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02
裁判所で解決できるものは、法律上の争訟に当たるものについて裁判として取り扱います。
権利義務や法律関係の紛争で法律によって集約的に解決できるかが、法律上の争訟に当てはまるかの要件となります。
正しい
法律上の争訟にあたるが、憲法の根拠によって認められている、解釈できるものは、司法審査の対象外となることを外在的制約があるといいます。
地方議会議員の出席停止処分に司法審査の対象とするかの判例です。
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03
この問題のポイントは最大判令2.11.25の宇賀克也裁判官補足意見の理解です。
最大判令2.11.25の宇賀克也裁判官補足意見は以下の通りです。
法律上の争訟は,①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する 紛争であって,かつ,②それが法令の適用により終局的に解決することができるも のに限られるとする当審の判例(最高裁昭和51年(オ)第749号同昭和56年 4月7日第三小法廷判決・民集35巻3号443頁)に照らし,地方議会議員に対 する出席停止の懲罰の取消しを求める訴えが,①②の要件を満たす以上,法律上の 争訟に当たることは明らかであると思われる。 法律上の争訟については,憲法32条により国民に裁判を受ける権利が保障され ており,また,法律上の争訟について裁判を行うことは,憲法76条1項により司 法権に課せられた義務であるから,本来,司法権を行使しないことは許されないは ずであり,司法権に対する外在的制約があるとして司法審査の対象外とするのは, かかる例外を正当化する憲法上の根拠がある場合に厳格に限定される必要がある。
国会については,国権の最高機関(憲法41条)としての自律性を憲法が尊重し ていることは明確であり,憲法自身が議員の資格争訟の裁判権を議院に付与し(憲 法55条),議員が議院で行った演説,討論又は表決についての院外での免責規定 を設けている(憲法51条)。しかし,地方議会については,憲法55条や51条 のような規定は設けられておらず,憲法は,自律性の点において,国会と地方議会 を同視していないことは明らかである。
とされています。
以上の点をおさえて、解説をみていきましょう。
解説の冒頭より、法律上の争訟について裁判を行うことは,憲法76条1項により司 法権に課せられた義務であるから,本来,司法権を行使しないことは許されないは ずであり,司法権に対する外在的制約があるとして司法審査の対象外とするのは, かかる例外を正当化する憲法上の根拠がある場合に厳格に限定される必要があるとされています。
よって、イに該当するのは外在的となります。
今回の問題で出てきた判例は初出題で今後も出ることがあるので、今回出てきた判例を読み直した方が良いでしょう。
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