保育士の過去問
平成25年(2013年)
社会的養護 問31

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問題

保育士試験 平成25年(2013年) 社会的養護 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、わが国における第二次世界大戦後社会的養護に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした正しい組み合わせを一つ選びなさい

A 昭和22年〈1947〉年に「児童憲章」と「児童福祉施設最低基準」が公布された。
B 第二次世界大戦後の昭和23〈1948〉年、厚生省による全国孤児一斉調査において、およそ12万人もの孤児が報告された。
C 堀文次が昭和25〈1950〉年にホスピタリズムに関する論文を発表した。
D 1960年代の高度経済成長による都市化、核家族化、地域社会の変容等の社会構造の変化により、離婚、親の行方不明、親の長期入院等を原因とする要保護児童が多く生み出された。
  • A○  B○  C×  D×
  • A○  B×  C○  D○
  • A×  B○  C○  D○
  • A×  B○  C×  D×
  • A×  B×  C○  D×

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

A ×
児童憲章が制定されたのは、昭和26(1951)年です。
児童福祉施設最低基準は、昭和23(1948)年に厚生省から公布されました。

B ○
正しい記述です。

C ○
ホスピタリズムとは「施設症」とも呼ばれるもので、養護施設などに長期間いることにより、精神的・身体的に問題が発生することをいいます。
東京都石神井学園の堀文次は「養護理論確立への試みーホスピタリズム」と題する論文を、雑誌『社会事業』に寄稿しました。

D ○
正しい記述です。

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02

A.誤り。児童憲章(S26)児童福祉施設最低基準は(S23)です。

B.正しい。全国孤児一斉調査は対象:20歳以下、両親のない者、父母不明、孤児と同様の状態にある者でありS23で123511人であったと報告されています。多くが戦災孤児でした。

C.正しい。ホスピタリズムとは施設や病院などで長期間生活することによりおこる言語発達の遅れ、感情鈍麻、情緒不安定などの傾向のことです。1950年 堀文次がホスピタリズム論文を発表した(養護論確率への歩み ホスピタリズムの解明と対策)ことによりホスピタリズム論争が起こりました。

D.正しい。現在も核家族化、少子高齢化、地域社会の希薄化など多くの諸問題が起こり虐待などの要保護児童が多くなっています。

よって×○○○となり選択肢3が正解となっています。

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03

正解は3です。

A:×
「児童憲章」は1951(昭和26)年に、「児童福祉施設最低基準」は1948(昭和23)年に公布されました。

B:〇
東京は全国疎開児童70~80万人の半数が、地方へ移住(疎開)しています。それゆえ、地方における孤児は主に都市の戦災孤児であったといえます。

C:〇
「ホスピタリズム」とは、子どもが長期間の集団養護を受けることによって生じる身体的・心理的なマイナス影響のことです。この論争の結果、欧米では、集団養護廃止の方向へ向かいましたが、日本では施設養護の是非を問うよりも、集団養護の利点を積極的に活用する方向へ向かいました。

D:〇
核家族化の進行により、多くの家庭で子ども養育機能が破綻しました。また、母親の蒸発、「コインロッカーベイビー事件」に見る「子捨て」、育児ノイローゼによる折檻等が増えました。そのために養護施設等へ送られた子どもたちが、戦災孤児に代わる要保護児童となりました。

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