保育士の過去問
平成23年(2011年)
児童福祉 問31

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問題

保育士試験 平成23年(2011年) 児童福祉 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

次の保育士の支援に関わる【事例】を読んで、【問】に答えなさい。

【事例】
Mちゃんは4歳です。1か月前に保育所に入所してきました。お母さんが一人で養育しています。お母さんは、働いていますが、収入が少ないので、生活保護を受けています。お母さんは、保育所の迎えの時間に遅れたり、急にMちゃんを休ませたりすることがあります。担当の保育士としては、Mちゃんの表情も暗いように感じ、どこか気になります。

【問】
その後、児童相談所から保育所に電話が入り、児童虐待の疑いがあるので、MちゃんとMちゃんのお母さんについて、話を聞かせてほしいとの申し出がありました。次の文のうち、保育所の対応として、最も適切な記述を一つ選びなさい。
  • 電話での問い合わせには、一切応じられないと回答する。
  • お母さんの了承がなければ問い合わせには応じられないと回答する。
  • 保育所として、適切で必要な内容のすべてを回答する。
  • 伝える内容をMちゃんのお母さんに確かめた上で回答する。
  • 虐待という重大な問題であるため、すべて園長ないし主任が対応すべきであり、担当保育士は、一切対応しない。

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この過去問の解説 (3件)

01

このような児童虐待のケースにおいて、保育所として適切な対応方法を選ぶ問題において確認しておく点があります。
それは、守秘義務と通告義務です。
保育士には守秘義務がありますが虐待などのケースにおいては守秘義務より通告義務が優先されるという事です。
これを理解していないと適切な答えを選ぶのに躊躇してしまうと思います。

以上によりこの設問では選択肢3が正解となります。

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02

正解は 3 です。

保育所保育指針では、保育所は児童の心身の状態を観察し、虐待が疑われる場合には速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図ることとされています。
児童虐待の確証がなくても、そのおそれを発見した場合は通告しなければならないという児童虐待防止法の趣旨を徹底しなければなりません。
しかし、平成21年度の総務省の調査では、保育所において児童虐待又はそのおそれを発見した場合に、速やかに児童相談所や市町村に相談、情報提供することに対して、「抵抗がないと感じる」「どちらかといえば抵抗がないと感じる」と回答している保育担当者は72.8パーセントにとどまっています。

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03

正解は3です。

1 虐待の通告は電話でも可能です。児童相談所と電話でのやり取りの後、面談などが行われます。

2 保育所に通う子どもと保護者に関しては守秘義務がありますが、虐待が疑われる場合、通告義務が優先されます。母親の了承を取ろうとした時に事実を母親が隠す可能性も考えられますので、保育所側が事実を伝えることが大切です。

3 適切です。虐待の通告義務に基づき、保育所として、適切で必要な内容のすべてを回答することで、早期発見し適切な対応を取ることができます。

4 伝える内容をMちゃんのお母さんに確かめた上で回答するのは虐待の通告、対応としてはよくありません。

5 Mちゃんの日頃の様子を間近で見ている担当保育士が介入することはもちろん必要です。

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