保育士の過去問
平成23年(2011年)
小児保健 問78

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問題

保育士試験 平成23年(2011年) 小児保健 問78 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【症例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【症例】 3歳、男児
某月某日、鼻汁、咳嗽など「かぜ」のような症状が出はじめた。その後、次第に咳が強くなってきた。約4週間たってから、咳がはげしくなり、連続的に咳き込み、そのあと息を吸うときにフューという音が出た。咳の発作は夜間に強く、咳き込みに伴いおう吐もみられた。また、チアノーゼ、顔面紅潮、眼瞼浮腫などもみられた。

【設問】この患児の診断名を一つ選びなさい。
  • 喘息性気管支炎
  • 百日咳
  • マイコプラズマ肺炎
  • 「かぜ」症候群
  • 肺結核

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

1 ×
喘息性気管支炎はかぜに伴って、痰などが気管にたまって狭まることによって起こる症状ですが、フューというより、ゼーゼーした音が目立ちます。


2 ○
百日咳は、まずかぜのような症状が起こり、その後1~2週間、しつこい咳が続きます。コンコンと咳をした後、フューと笛のような音をたてて息を吸うという発作(レプリーゼ)が特徴で、咳き込みのため、おう吐、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になる)、顔面紅潮、浮腫などがみられます。

3 ×
マイコプラズマ肺炎も、かぜと同じような症状ですが、レプリーゼ(フューという音)は目立ちません。痰が絡んだような咳がよく起こります。

4 ×
単純なかぜのときは、レプリーゼ(フューという音)は目立ちません。

5 ×
乳幼児が肺結核にかかると、高熱が出て、重症化しやすいので注意が必要です。BCG接種で、ある程度の予防ができます。

参考になった数8

02

正解は2です。

1 喘息性気管支炎とは、
かぜに伴って生じる気管支炎です。
2〜3歳ごろに多くみられ、
痰などの分泌液で気管支が狭くなり、
喘息のようにゼーゼーした音(喘鳴)がします。

2 百日咳は、7〜10日ほどの潜伏期間のあとに、
風邪のような症状が出てきます。
その後次第に咳がひどくなっていきます。
夜間に発作を起こすことが多く、
ひどい咳のため嘔吐を伴うこともあります。
咳は、コンコンという短い咳のあとに、
ヒューという笛のような音がするようになります。
これは、レプリーゼと呼ばれ、
百日咳に特有な発作です。
息をつめて咳をするので、チアノーゼや顔面紅潮、
眼瞼浮腫などもみられることがあります。

3 マイコプラズマ肺炎は、
発熱、全身倦怠、頭痛など、
かぜと似たような症状から始まります。
咳は、初発症状出現後3~5日より始まることが多く、
乾性の咳が経過に従って徐々に増強し、
解熱後も長期にわたって(3~4週間)続くのが
特徴です。

4 「かぜ」症候群とは、喉や鼻といった上気道に、
ウイルスなどの感染によっておこる急性上気道炎を
指します。
かぜによる咳は、数日でピークを迎え、
次第に軽快していきます。

5 肺結核とは、結核菌の感染によっておこり、
咳や痰、発熱といったかぜと同じような症状ですが、
咳が2週間以上にわたって続くことも特徴です。
結核菌は肺以外に、
リンパ節や脳などにも感染します。
子どもでは、かぜ症状が現れずに、
他の部位に感染していることがあるので、
注意が必要です。

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03

正解は2です。

1が×…喘息性気管支炎は、2~3歳までの乳幼児のかぜなどの上気道感染によって起こる気管支炎で、気管支腔に分泌部が多くなると気道が狭くなり、空気が通るときにゼーゼーという音がします。

3が×…マイコプラズマ肺炎は、頭痛、発熱、咽頭痛、咳などの「かぜ」症候群と同じような症状を示し、咳が夜間にひどかったり、長びく場合があります。

4が×…「かぜ」症候群は、ウイルスや細菌による感染性の上気道炎で、くしゃみ、鼻汁、のどの痛み、咳、発熱などの症状があります。

5が×…乳幼児の肺結核は、初感染であるので、軌道局所にとどまらず、血流にのって全身に結核菌が運ばれるので高熱が出ます。

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