保育士の過去問
平成26年(2014年)
保育原理 問3

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問題

保育士試験 平成26年(2014年) 保育原理 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、諸外国における子どもや保育の思想についての記述である。適切な記述を選びなさい。
  • ルソー(Rousseau, J.-J.)は、『幼児教育書簡』『リーンハルトとゲルトルート』に自らの教育方法を著している。
  • オーベルラン(Oberlin, J.F.)は、独仏国境の山間部の村に牧師として赴任し、村人を貧困と道徳的荒廃から救済する事業を興した。
  • モンテッソーリ(Montessori, M.)は、一連の体系的教具を自ら開発し、これらを含んだ環境を整えることが、保育者の重要な役割であるとした。
  • ロック(Locke, J.)は、子どもは白紙の状態で生まれるとし、そのため教育が与える影響が大きいと主張した。
  • エレン・ケイ(Key, E.)は、『児童の世紀』を著し、子どもの自己決定力の育成、体罰の拒否、子ども固有の権利などを訴えて注目を浴びた。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 2、3、4、5 です。

「幼児教育書簡」「リーンハルトとゲルトルート」はルソーの影響を受けたペスタロッチ(1746~1827 スイス)の著書です。
ルソー(1712~1778 フランス)は「エミール」「社会契約論」「人間不平等起源論」を著しました。

他の人物についての補足は次の通りです(年代順)。

ジョン・ロック(1632~1704 イギリス)哲学者。「教育に関する考察」を著す。

ヨハン・フリードリヒ・オーベルラン(1740~1826 フランス)牧師。世界最初の近代保護施設「幼児保護所」を設立。

マリア・モンテッソーリ(1870~1952 イタリア)イタリア初の女性医学博士 モンテッソーリメソッドの提唱者。

エレン・ケイ(1849~1926 スウェーデン)ルソーの影響を受ける。

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02

諸外国における保育の思想については「諸外国における保育の先駆者」(H25)「保育の発展に寄与した人物と功績」(H24)という形でも出題されているため、諸外国の主要人物が、どのような著書・設立した建物(施設名)を覚えておくと比較的解きやすい問題となっています。

1.(誤)『幼児教育書簡』『リーンハルトとゲルトルート』はペスタロッチの著書です。

2.(正)オーベルランは牧師であり幼児保護所(編み物学校)を設立。オーウェンと混同しやすいので整理しておく事が必要です。

3.(正)モンテッソーリはイタリア初の女医。ローマのスラム街に『子どもの家』を設立。モンテッソーリ教具を開発しました。

4.(正)ロック『教育に関する考察』早期教育、白紙説⇔ルソー『エミール』自然教育、消極的教育、児童中心主義 ルソー⇔ロックは対比で覚える事をお勧めします。

5.(正)エレンケイの著書は『児童の世紀』が正しいです。

よって選択肢2.3.4.5が正解です。

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03

正解は2、3、4、5です。

1:×
『幼児教育書簡』『リーンハルトとゲルトルート』はペスタロッチの著書です。
ルソー(1712~1778)スイスの思想家。
子ども中心主義の教育理念を追求し、子どもの自然な内発的な成長や発達を通して自活的な人間の育成を重んじました。
「教育の最大の秘訣は教育しないことにある」との立場から子どもの個性の自由な伸張を目指す教育主張しました。 著書「エミール」

2:○
幼児保護所は牧師オーベルラン(ドイツ)が1779年、フランスのアルサスローレンに開設しました。オーベルランは貧しい農家の幼児のために幼児保護所を創設しましたが、これが世界最初の近代保護施設と言われています。

3:○
モンテッソーリ イタリアの女流教育家。1907年ローマのスラム街に幼児保育施設「子どもの家」を開設しました。そこで実践した方法は「モンテッソーリ法」と言われ、精神発達には感覚の訓練が必要とし「モンテッソーリ教具」と呼ばれる幼児用の教具を考案しました。
4:○
ジョン・ロックは自然主義教育論を展開しました。著書『人間悟性論』『教育に関する一考察』『自由論』
5:○ エレン・ケイはスウェーデンの女性評論家・教育思想家(教師)です。
『正解・勉強・規範』を無理矢理に強制するタイプの教育を批判て、子どもの興味・関心・創造性・貢献意識を重要視する『児童中心主義』に基づく新教育運動を主導した人物です。
著書『児童世紀』

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